衆議院解散・総選挙にあたって

医療福祉生協の理念「健康をつくる。平和をつくる。いのち輝く社会をつくる。」
を実現させる政治をめざして

2021年10月14日
日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事  髙橋 淳


全国の組合員のみなさん。本日衆議院が解散し、10月19日公示、31日投開票で4年ぶりの総選挙が行われます。今回の総選挙は私たちの国民生活に直結するきわめて重要な選挙です。どういう政治をめざすのかをじっくり考え必ず投票に行きましょう。

 日本の社会保障制度は、医療費抑制政策のもと医師数の抑制・病床削減・病院の統廃合が長期間、系統的に続けられてきました。そのことが今回のコロナ禍の傷口を大きくし、感染第5波では入院病床・宿泊療養施設が不足し、「自宅療養者」が9月上旬には約13万5千人を超え、自宅療養などで亡くなった人が8月の1か月間で250人に上るなど、「救える命すら救えない事態」が発生しました。感染爆発で保健所が行うべき陽性者のフォロー・濃厚接触者の特定と指導も完全に破綻する事態となりました。まさに深刻な医療崩壊・公衆衛生の崩壊を起こしてしまいました。
 またコロナ禍は、日本の経済や社会の矛盾を鮮明に浮かび上がらせました。その最たるものは経済格差拡大の問題です。一部の大企業や富裕層だけに富が集中する一方、貧しい人たちはさらに困窮に陥ってしまいました。いまや格差是正は待ったなしの課題であり、言葉だけでなく実体を伴う大胆な政策転換が求められます。

 長引くコロナ禍のもと、後手に回る政府の施策のため効果的な感染抑制が実現せず、全国の医療・介護労働者に過重労働を強いて対処せざるを得ない状況が広がりました。私たち医療福祉生協は、患者・地域住民の命を守るために、職員組合員の献身的奮闘による医療提供と、利用者と家族の生活を支える介護サービスの提供を続けてきました。
 今後も第6波の到来が危惧されています。感染の波が落ち着いている今こそ、国民の命が守れなかった痛ましい経験をふりかえり、真摯な反省の上に立って、医療費抑制・病床削減政策をあらため、医療・介護従事者を増やし、保健所を増設して公衆衛生の充実をはかることが真っ先に求められます。75歳以上の医療費窓口負担の2割化など受診抑制につながる政策の見直しも必要です。同時に、困窮する貧困層の救済と疲弊する低所得者層の支援をすすめセーフティーネットの拡充を図ること、大企業と富裕層に応分の負担を求め、富の再分配が十分に機能する公正な社会をめざすことが必要だと考えます。

 気候危機は世界共通の喫緊の課題であり、2050年の温暖化ガス排出ゼロは必ず実現しなければならない目標です。またジェンダー不平等をなくすことや核兵器禁止条約の批准、強引にすすめられている辺野古新基地建設の問題、東日本大震災の原発過酷事故を忘れたかのような再稼働・新増設計画など、見極めるべき課題はたくさんあります。
 医療福祉生協連は、2030年ビジョンのメインテーマに「誰もが健康で居心地よくくらせるまちづくりへの挑戦」を掲げました。その土台には、医療部会時代からの歴史をふまえ、日本国憲法のもと人権が尊重される社会と社会保障の充実をめざした「いのちの章典」の実践があります。総選挙は私たちの願いを実現する絶好の機会です。身近な人たちと大いに語り合い、主権者として投票で意思を示していきましょう。