新型コロナウイルス感染症の急拡大に対する緊急要望書

内閣総理大臣  菅  義偉  殿
厚生労働大臣 田村 憲久  殿

日本医療福祉生活協同組合連合会
代表理事会長理事 髙橋 淳

新型コロナウイルス感染症の急拡大に対する緊急要望書

 新型コロナウイルス感染対策にご尽力いただいていることに対し敬意を表します。
 新型コロナウイルス感染症は7月後半より全国規模での急激な感染拡大が続いており、全国各地で医療体制が逼迫しています。この状況を回避するためには、感染者の早期発見のためのPCR検査の拡充、医療機関が持続できるように交付金の継続と医療従事者のメンタルヘルス対策などが急務と考えます。
 第5波ならびに今後の感染拡大を抑え、各地域で医療体制・介護体制を継続するために、国による総合的かつ徹底した新型コロナウイルス感染症対策を講じることを強く求め、下記の事項を要望いたします。

  1. 無症状の感染者による無自覚感染拡大を防止するため、各地にPCRセンターを設置するなど、PCR検査体制を拡充し幅広く実施すること。
  2. 医療機関や介護・福祉施設でのクラスター防止のため、医療・介護・福祉施設で働くすべての従事者を対象者に、PCR検査を定期的に公費負担で実施すること。
  3. 医療従事者・介護従事者が業務上の濃厚接触者に該当した際に、本人から労働災害申請があった場合には、速やかに認めること。
  4. 医療従事者・介護従事者のメンタルヘルス対策を強化すること。
  5. 地域医療において重要な役割を担う医療機関が事業継続できるように補助金・交付金や診療報酬上の特例を10月以降も継続すること。また、発熱者外来などの初期対応を行う診療所や在宅医療を支える訪問診療・訪問看護・訪問介護について、新型コロナ患者および疑陽性患者の対応時の診療報酬・介護報酬上の加算を行うこと。
  6. 医療機関に対する国による補助金について、都道府県により支給有無に差異が生じないよう、支給基準の標準化や手続きの簡素化の措置を講じるとともに、速やかに給付を行うこと。
  7. 早期に国民全体にワクチンが行き渡るよう供給すること。
  8. 新型コロナ感染対応の柱となる保健行政を強化するため、保健所の増設・保健師等の増員など地域保健衛生施策の拡充を図ること。

以上