「介護保険改正法(案)」の衆議院本会議
強行採択に抗議する

「介護保険改正法(案)」の衆議院本会議 強行採択に抗議する

日本医療福祉生活協同組合連合会
  代表理事会長理事 藤原 高明

 政府与党は、4月18日の衆議院本会議において「地域包括ケアシステム強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(以下、介護保険「改正」法案)の採決を強行しました。衆院厚生労働委員会につづき本会議においても十分な審議を行うことなく、強行採決をしたことに抗議します。

 介護保険「改正」法案は①自己負担割合を3割に引き上げる(一定所得のある人)②保険料の「総報酬割」の導入③「我が事・丸ごと」地域共生の社会づくりに向け、高齢者、障がい者(児)などの施策に対する公的責任を後退させる仕組みづくりを狙ったものです。

 加えて今回の法案は介護保険法だけでなく、関連する医療法、社会福祉法、障害者総合支援法、児童福祉法など31の法「改正」を一括して行うもので、厚生労働委員会での審議時間が20時間、本会議での審議時間が2時間ではとうてい審議が十分つくされたとは言えません。

3割負担となるのは、昨年2割負担に引き上げられた45万人のうち一定の所得のある12万人が対象となります(来年8月より)。2割負担に引き上げられ、負担に耐えられず、特別養護老人ホームを退所したり、サービス利用を控えたりする事態が生まれています。こうした実態や「介護離職」「介護難民」が社会問題化する中で、「制度の持続可能性」を追求するために、さらに利用者や家族に一層の負担を迫るのは本末転倒な施策です。

 また、全市町村が介護の「自立支援・重度化防止」にとりくむことを制度化し、介護費用を抑制した市町村に対しては国の財政支援を手厚くすることは、介護保険からの無理な「卒業」や「門前払い」を加速させ、当時者や家族の負担増につながる懸念があります。

 さらに、「地域共生社会」の名の下、高齢者、障害者(児)などへの施策をひとくくりにして行う「我が事・丸ごと」地域共生の社会づくりでは、社会福祉法に「福祉サービスを必要雄する人たちが孤立しないよう、地域住民が支援する」条文を新設しました。地域住民に法として「自助・互助」の役割を求めており、国と地方自治体の公的責任の後退は明らかです。

 地域福祉・地域医療のありかたを大きく変える法案を当事者の声や地方自治体、地域の意見を聞く機会も設けないまま、わずかな審議時間で強行採決したことは許しがたい行為です。今回の衆議院本会議での法案採決に強く抗議するとともに、廃案に向けて一層の幅広い連帯した行動を行うことを会員生協の皆さんに呼びかけるものです。

以上