生協どうしのつながりで「まちづくり」 荒川コープカフェ:comcom6月号

荒川コープカフェ
(東京ふれあい医療生協・東京ほくと医療生協・コープみらい)

荒川コープカフェ

「こんにちは」「いい天気ですね」。穏やかな春の日の午後、笑顔の人たちが三々五々に集まってきます。ここは、東京都荒川区。東京23区の東北部に位置し、隅田川が区を迂回して流れています。

1980年代、東京都内の地域購買生協と医療福祉生協で、市区単位で生協連絡会ができ、地域で特色ある活動に発展し、荒川区で活動する「荒川区生協連絡会」も映画上映会や防災の学習会、行政訪問など多様な活動をしてきました。

「居場所をつくりたい」その思いがかたちに

カフェは出入り自由。好きな時間に参加できます

※高齢者見守りステーション 荒川区から委託を受けて、社会福祉士等の資格を持った相談員が、地域の高齢者に関する相談を受け付ける身近な相談窓口。地域包括支援センターに併設され、区内8か所に設置されている。

東京ふれあい医療生協理事の遠藤弘子さん「荒川コープカフェ」は、荒川区生協連絡会メンバーが2014年3月から始めた活動です。「カフェのような居場所をつくりたいという声は連絡会で以前からありました。コープみらいも、居場所づくりに積極的だったので話がすすんでいきました」というのは東京ふれあい医療生協理事の遠藤弘子さんです。

カフェは、毎月第3木曜日13時30分~15時まで。参加費100円でコーヒーとお菓子付きで、誰でも参加できます。都電荒川線宮ノ前駅近くの「東京都飲食業生活衛生同業組合」の事務所を借りて、「気軽に、無理なく、楽しく」をモットーに、コープみらい、東京ふれあい医療生協、東京ほくと医療生協の組合員が運営しています。

生協がつながることで、広がる活動

荒川区生協連絡会の会議の様子

カフェのオープンに先立ち、10時~12時まで連絡会の会議をします。連絡会はお互いの生協の活動を共有し、今後の活動を話し合うために大切な会議です。「縦のつながりより、横のつながり。一人ではできないけど、生協がつながるといろいろなことができる」「購買生協と医療生協などさまざまな生協とかかわれるのはいい」と参加者がいうように、毎月の会議は貴重な情報交換の場、新しい活動を考える場です。

2013年7月、連絡会主催で八王子保健生協の実践を学ぶ学習会「たまり場づくりの始め方」を開催。本格的に居場所づくりの検討を開始しました。見学したり、話し合いを重ねる中で、社会福祉協議会や地域包括支援センターにも声をかけ、2014年3月「荒川コープカフェ」がスタートしました。コープのお茶とお菓子、医療生協の健康チェックなど各生協の活動経験を活かした内容で活動が始まりました。

さぁ、荒川コープカフェが開店です!

できたての大学イモを並べます

連絡会の会議が終わると、今日はカフェで提供する大学イモを手作りします。遠藤さんが自宅でカットしてきたさつまいもを容器から出し、鍋に油を入れて火にかけます。「油に砂糖を加え、そのまま揚げると手早くできておいしいのよ」といいながら、あっという間に完成です。

コーヒーを準備し、大学イモを並べると、カフェが始まります。参加者が集まったところで、「携帯電話などを使った詐欺にご用心」をテーマに、荒川区の消費生活センターの方を講師に招いて学習会を開催。熱心に話を聞いた後は、「自宅にオレオレ詐欺みたいな電話がかかってきた」など、感想を語り合います。

詐欺にあわないために大切なことを学びます荒川区社会福祉協議会地域コーディネーターの楠田瞳さん荒川区には社会福祉協議会がすすめる「ふれあい粋・活(いきいき)サロン」が69か所(2015年度末)あり、荒川コープカフェは、このサロンに登録されています。「生協のみなさんが元々持っている力でおこなう地域活動はフィールドが広く、モチベーションも高い。荒川コープカフェは、高齢者だけでなく、子どもも含めて多世代で参加できます。健康づくりに加え、毎回、テーマを決めて学習することも参加者から好評です」と、連絡会の会議に参加している荒川区社会福祉協議会いきいきサロン担当の地域コーディネーター楠田(くすだ)瞳さんはいいます。

カフェは自由にできるのがいい

コープカフェでは多彩なプログラムを企画しています。1月におこなった笑いケア体操の様子

コープみらいブロック委員の佐々木麻由子さんと細田三千代さんは「カフェの存在を知ってもらうことに苦心しました」と振り返ります。当初、参加を呼びかけるチラシを作成するのを、コープみらいが担っていました。現在、チラシは社会福祉協議会が作成し、社協と3生協が協力して参加を呼びかけています。

今回、2回目の参加になる東京ほくと医療生協の組合員秡川(はらいかわ)登美子さんは「先月、夕食宅配の話が聞きたくて参加したのが最初です」といいます。毎回趣向をこらしたテーマにひかれて参加する人、楽しいから参加する人など、参加理由は様々です。

地域の生協や行政と連携した荒川コープカフェは、5月から熊野前商店街のフリー店舗「熊まねき堂」に会場を移します。「今の場所は、ちょっと入りにくいのですが、商店街ならもっと多くの人に知ってもらい、参加してもらえると期待しています。カフェは、生協の決まりにとらわれずに自由にできるのがいいです。いろいろなことをやってみたい」と佐々木さん。

気軽に、無理なく、楽しく、地域になくてはならない場所として「荒川コープカフェ」のとりくみは続きます。

コープみらいブロック委員の細田三千代さん(左)と佐々木麻由子さん

(編集部)
写真:大村洋介

<東京ふれあい医療生協>

●設立年月日  1970年6月30日
●組合員数   1万5,359人
●出資金    5億6,110万8,000円
●支部・班数  11支部 101班
●事業所数   医科診療所4 介護関連5

<東京ほくと医療生協>

●設立年月日  1953年3月27日
●組合員数   3万4,351人
●出資金    15億6,189万円
●支部・班数  37支部 430班
●事業所数   病院1 医科診療所8 歯科診療所1 介護関連18

※2016年3月31日現在