居場所が安心をつくる よどがわ保健生協:comcom1月号

ふれあい喫茶

「コスモス憩いの家」で木曜日に開かれる「ふれあい喫茶」では、おいしいコーヒーとお菓子を前に話が弾みます

「うさぎ追ーいし かの山ー」。思わず口ずさんでしまう、童謡「ふるさと」のメロディーが大正琴の合奏で聞こえてきました。

ここは、大阪市東淀川区にある、「コスモス憩いの家」。よどがわ保健生協のコスモス支部が運営しています。以前、美容院だったという前面ガラス張りの建物は、外からも大正琴を演奏する楽しそうな明るい室内の様子がよく見えます。

「コスモス憩いの家」で大正琴を借りられるので、気軽に参加できます

「コスモス憩いの家」で大正琴を借りられるので、気軽に参加できます

健康づくりに大切なのは 孤独にならないこと

コスモス支部 支部長の中橋秀二さん

コスモス支部 支部長の中橋秀二さん

よどがわ保健生協の創立のころからかかわってきた、コスモス支部・支部長の中橋秀二さん。現役時代は転勤で全国を飛び回っていたため、本格的に医療福祉生協の活動を始めたのは、今から20年ほど前の退職後のことでした。「医療福祉生協の活動をひと言でいえば、『地域まるごと健康づくり』だと思いますね」と中橋さん。

当時、よどがわ保健生協では、「支部をつくろう、1つの支部に1か所たまり場をつくろう」という活動を始めていました。コスモス支部が結成されたのも、ちょうどそのころ。淡路地区と東中島地区にまたがるので、支部名は地区の名前ではなく、結成した10月にちなんで「コスモス支部」と名付けられました。支部ができ、次はたまり場づくり。ただ、いざたまり場をつくると決めても、地価の高い大阪市内では簡単にはいきませんでした。

中橋さんは、「健康づくりに大切なことは、孤独にならないこと。とにかく、地域の人が集まろう、楽しむことから始めよう」と、バスツアーを始めました。7人の世話人が力を合わせて参加者を集め、バスが満員になるほどの活動に。記念すべき10回目は、三重県の賢島へ1泊旅行を企画しました。「大変だったけど、楽しかったですよ」と、中橋さんは振り返ります。

このバスツアーのとりくみは各支部でもおこなわれ、今では15支部のうち、ほとんどが実施しています。

「医療介護相談会」

(左)新聞紙の広告ページとは思えない、見事なちぎり絵ができあがり!
(右)「ふれあい喫茶」でおいしいお茶を用意する藤井展子さん

2014年10月、コスモス支部念願のたまり場「コスモス憩いの家」がオープンしました。大正琴やちぎり絵班会、体力測定、体操や学習会などが活発に開かれています。木曜日は「ふれあい喫茶」の日で、コーヒーや紅茶をお菓子付きで提供します。ここで積極的にコーヒーや紅茶の用意をするのは、藤井展子(ひろこ)さん。バスツアーに参加したのがきっかけで、活動にかかわるようになりました。

コスモス支部に念願のたまり場ができて1年。15年9月から、ふれあい喫茶で新しいとりくみが始まりました。事業所の職員が週替わりでふれあい喫茶に参加し、「医療介護相談会」という地域の人が誰でも気軽に専門職へ相談できる時間を設けたのです。歯科や皮膚科、介護の相談など毎週テーマが替わる相談会は、とても人気がある活動です。

訪問したこの日は、介護相談センターのケアマネジャー浅田愛子さんが参加しました。ふれあい喫茶に来るのが初めてという浅田さんは、少し緊張気味。まずは自己紹介をして参加者と打ち解けた後、介護保険の話をしたり、参加者からの質問や相談に答えました。最後は、お茶を飲みながらお祭りの話で盛り上がり、「コスモス憩いの家」は笑い声でいっぱいに。「こういう形で話ができて、何かお困りのことがあったとき、すぐに自分たちのことを思い出してもらえたらいいと思います」と浅田さんは相談会の意義を語ります。

介護相談センター・ケアマネジャーの浅田愛子さん

みんなが使える活動の拠点

支部長が集まって話し合いをするスペースとしても活用

毎週欠かさず「コスモス憩いの家」に来ているという、満公子(みつる きみこ)さん。「今までは、家でボーっとしていたけど、ここに来るようになっていろんなことを勉強できて楽しいですよ」と教えてくれました。

医療介護相談会のほかにも、ふれあい喫茶の奥のスペースでは「組合員活動委員会」が開かれ、支部長が集まって話し合いをするなど、「コスモス憩いの家」は様々な活用のされ方をしています。また今後は、2階のスペースが、よどがわ保健生協が運営する有償ボランティア「くらしの助け合い『あいちゃん』」の拠点として活用される予定だと、組織部の田路真(たじ まこと)さんは話します。「あいちゃん」とは、介護保険では対応できない困り事を組合員の協力で補う、助け合いの活動です。

「この地域は、一人暮らしの人が圧倒的に多いんですよ。朝からずっとテレビを観ているだけという人がたくさんいます。何でもいいからみんなでやろう、そのために集まる場所ができたというのは、本当に大きいと思います」と中橋さん。

一人暮らしの人が孤独にならずに過ごせる場、健康づくりの活動の場、今後はボランティア活動の拠点としての役割も担う、「コスモス憩いの家」。これからも、地域のみなさんが安心して活動できる場として、その重要性をますます高めていくことでしょう。

(左)「コスモス憩いの家」立ち上げのころからかかわる、支部運営委員の方々
(右)楽しいイベントがたくさん開催されています

(編集部)
写真:大村洋介

美容院だった建物を利用した「コスモス憩いの家」はバス通りに面した好立地

<よどがわ保健生協>
●設立年月日  1956年12月20日
●組合員数   2万848人
●出資金    3億1,989万5,700円
●支部・班数  15支部・50班
●事業所数   医科診療所3、歯科診療所1、介護関連11
※2015年10月31日現在