商店街の中で広がる 新たな出会い 東京ほくと医療生協:comcom12月号

ほっとカフェ

「こんにちは」と、通りがかりの人から声がかかります。ここは、東京都北区の志茂七溜(しもななため)商店街にある「地域のたまり場 ほっとカフェ」。東京都の北端に位置するこの地には、近くに流れる一級河川の荒川にゆかりのある神社やお寺が近隣に点在しています。

昔からある商店街の一角で

ほっとカフェ

 1/店先でも話が弾みます
 2/ほっとカフェを楽しみに多くの人が訪れます

浜野さん

東京ほくと医療生協理事の浜野妙さん

誰でも気軽に寄れるほっとカフェは、毎週火~土曜日の10時から16時まで開いており(12時半~13時は休憩時間)、お茶は無料で、コーヒーや紅茶は1杯100円で提供しています。近隣の人が散歩の途中に寄ったり、商店街の少し奥にある赤羽東診療所の行き帰りに寄る人、販売している手作りの小物を求めて来る人もいます。毎週木曜日は、手作りパンが並ぶ「パンまつり」の日。この日を楽しみにしている人がたくさんいます。

「私が嫁いできた昭和40年代は、多くの店が並ぶ、にぎやかな商店街だったんですよ。今はすっかり寂しくなっちゃったけど」と、東京ほくと医療生協の理事を務める浜野妙さんは昔を振り返ります。27年前に東京北部医療生協(現:東京ほくと医療生協)初の診療所として開業した赤羽東診療所の5周年イベントの手伝いをしたのがきっかけで、医療福祉生協の活動にかかわるようになった浜野さん。保健大学を受講・卒業して、保健委員の活動を始めました。次第に仲間が増え、赤羽東支部は、多様な活動へ広がっていきました。

浜野さん手作りのパンはおいしいと評判

地域のたまり場 ほっとカフェ

以前から支部の中で「どこかに集まる場所がほしい」と念願していました。浜野さんが、何気なく商店街の会長に相談したところ、ちょうどいい所があると商店街の一角を紹介されました。大家さんが物置代わりに使っていたスペースで、木のテーブルとベンチもいっしょに貸してもらえることになりました。「地域のたまり場 ほっとカフェ」と名付け、2011年から運営しています。のぼりは手作りで、冷蔵庫や時計、鏡、ポットもみんなが持ち寄ったもの。買ったものは何もないといいます。電気の配線工事は赤羽東支部・運営委員の佐藤博子さんの夫が、壁の張り替えは浜野さんの息子さんがボランティアで修繕しました。

東京ほくと医療生協がほっとカフェの運営を担っていますが、カフェは東京都北区社会福祉協議会の「地域ささえあい活動助成」を受けています。地域ささえあい活動団体として登録され、北区社会福祉協議会のホームページにも情報が掲載されています。「ほっとカフェ」のロゴが入ったおそろいの赤いエプロンは、助成金で作りました。

週5日、毎日開けるのは大変な気もしますが、「メンバーは10人いるから、交代でやれば1人が担うのは1週間に半日だけなんです。半日なら負担なくできます」と浜野さん。気がついたことはノートに書いて申し送り、毎月第一月曜日にメンバーが集まって開くカフェ委員会で、担当した日の出来事を共有します。

おそろいのエプロン

 5/当番の人が着るのは、おそろいのエプロン

なくてはならない みんなの居場所

手作りの小物

 3/島野孝一さん(左)と黛文子さん(中央)、手作りの猫の小物を買いに来た山本よしさん(右)
 4/佐藤博子さんが手作りした小物

赤羽東支部・運営委員の佐藤博子さん

赤羽東支部・運営委員の佐藤博子さん

この日、ほっとカフェを訪れた島野孝一さんと山本よしさんは、来るのが楽しみといいます。山本さんは、最近、足が痛くてなかなか来られなかったそうですが、「かわいいから、友達にあげるの」と、手作りの猫の小物を4個購入していきました。得意の手芸の腕を生かして猫の小物を作るのは佐藤さんです。

30年以上活動を続けている池田イミさん

30年以上活動を続けている池田イミさん

池田イミさんと黛文子さんは、医療福祉生協の活動を30年以上続けてきました。お弁当を作って配達していたこともありますが、今は集まって歌を歌う活動をやっています。「いつもみんなで話していたんですよ。いつでも行ける場所がほしいねって」と池田さん。「活動するには場所が必要。毎月1回お菓子を作って、老人保健施設でやっている出前喫茶の準備も、ここでできるようになって本当によかった」と、ほっとカフェができた喜びを語ります。

入り口で気後れしている男性に中から少し声をかけて入ってもらうと、特に話をしなくても楽しそうに座っていることがあるそうです。「お店が少なくなって商店街は寂しくなったけど、私たちが大きな声でにぎやかにしていると、商店街に活気が出て良かったなんていわれることもあるんですよ」の言葉に、カフェの中が笑い声であふれました。ほっとカフェは、新たな人との出会いにつながり、活動する人たちにとっても、なくてはならない居場所として輝いています。

ほっとカフェ

 6/近隣の人たちが気軽に立ち寄れる場所
 7/東京都北区社会福祉協議会と連携しています

(編集部)
写真:大村洋介

<東京ほくと医療生協>
●設立年月日  1953年3月27日
●組合員数   3万3,745人
●出資金    15億4,975万円
●支部・班数  30支部 430班
●事業所数   病院1 医科診療所8 歯科診療所1 介護関連18
※2015年10月10日現在