「地域とつながり そこで生きる」みやぎ県南医療生協:comcom4月号

「おたっしゃ21」チェック

 1・7/支部の代表や班長さんが「おたっしゃ21」チェックを実践

設立から20年が経った、みやぎ県南医療生協。組合員数は約5700人、宮城県南部を中心に65班が活動しています(2015年1月現在)。しかし、組合員の高齢化がすすみ、班会の活動頻度はまちまち、新規組合員がなかなか増えないなどの課題を抱えています。

そんな中、組合員数1万人を目標に掲げながら、様々な挑戦を続けている各地の活動を訪ねました。

班会活性化のため おたっしゃチェックを導入

拡大班長懇談会、食事会 加藤さん、「ころばん体操」

 2/あいさつをする北條裕士理事長(中央)をはじめ、拡大班長懇談会には職員も参加
 3/食事会で、班活動の悩みを交流
 4/超人的な体力を持つ加藤春治さん(81歳)
 5・6/みんなで「ころばん体操」。様々なポーズで筋力アップ!

1月31日、支部長や班長70人が参加し、年1回の拡大班長懇談会が開催されました。会場は、宮城県柴田郡柴田町の槻木(つきのき)生涯学習センター。「おたっしゃ21」チェック (※1)の説明会に続いて、18項目の質問と3種の体力測定(握力・片足立ち・歩行速度)からなる実際のチェックがおこなわれました。握力計を力いっぱい握る人、片足立ちでフラフラする人など、あちこちからにぎやかな声が聞こえてきます。

「おたっしゃ21」チェックとは、質問と体力測定の結果から、虚弱・転倒・失禁・軽度の認知症などの老年性症候群(※2)の危険性を判定します。自分の体をチェックすることで、発見しにくい老化のサインに自ら気づき、早くから対応することができます。

「ころばん体操」

チェックの後、20分かけて「ころばん体操」を実施しました。この体操は、東京都荒川区で誕生した、座ったままでも楽しく参加できる高齢者を対象にした介護予防体操です。

今後、「おたっしゃ21」チェックと「ころばん体操」によって班会を活性化させ、地域の健康づくりの魅力的な拠点にしたいというねらいがあります。

※1 東京都健康長寿医療センター(東京都老人総合研究所)が開発したチェックリスト。実際におこなうためには、質問項目に対して留意事項をよく理解する必要があり、体力測定は習熟した調査員が計測する必要がある。

※2 必ずしも病気というわけではないが、高齢者に特有な加齢に伴う心身の機能低下によって現れる、日々の「生活の質(Quality of Life)」を障害する状態のこと。

町内会と協同で学習会

第三区町内会

 8/第三区町内会役員のみなさん。前列左端が船岡支部・支部長の廣澤曜太郎さん
 9/第三区町内会で「物忘れと認知症」の学習会

同日、船岡地域の第三区町内会では、「物忘れと認知症」をテーマに学習会が催されました。みやぎ県南医療生協の理事長でしばた協同クリニック院長の北條裕士さんが、スライドを使いながら話します。ユーモアあふれる語り口に、会場からは笑いが起こる和やかな会でした。

第三区町内会副会長の瀬野尾孝子さんは、「この辺りは古くからある住宅街で、高齢化率35%です。高齢者は、なかなか遠くには出向けません。そんな中、医療福祉生協の医師が地域の集会場に来てくれるのは、本当にありがたいですね」と話します。

今回のとりくみは、船岡支部が町内会とのつなぎ役となって実現。町内会も貴重な機会ととらえ、案内状を配布するなど呼びかけを強化しました。その結果、47人もの参加者があり、組合員の新規加入にもつながりました。

船岡支部・支部長の廣澤曜太郎さんは、「町内会と協力して学習会が開催できたことは、地域一体となって健康づくりをすすめる上での大きな一歩になりました」と成果を振り返ります。

地域の人々が支え合う くらしの助け合い「槻木虹の会」

槻木支部くらしの助け合い「槻木虹の会」は2年前にスタートしました。一単位30分間300円(うち60円は事務所費)の有償ボランティアです。組合員でない方からの依頼があったときは、加入していただいてから利用してもらっています。毎月第4水曜日に、支援会員の学習会(傾聴・ルールなど)を定例で開催しています。

槻木虹の会

槻木支部の眞壁健一さんに活動内容を伺いました。

「『ちょっと助けてほしい』と連絡があったらコーディネーターが伺い、どんなお手伝いをするかと日程を約束し、それを受けて支援会員が活動します。庭の草取り、掃除、片付け、食事作りなど介護保険制度で利用できない活動をしています」

今後、ほかの支部にも広がることが期待されています。

 10/「槻木虹の会」のお話ボランティア

安藤さん、眞壁さん、小山さん、児玉さん

県外の医療福祉生協と連携し 被災地の復興支援

みやぎ県南医療生協の活動拠点・柴田町から車で30分、沿岸部にある山元町は、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けました。震災直後、近畿ブロックの医療福祉生協のみなさんがいち早く駆けつけ、泥かきや必要な物資を届けるなど支援をおこないました。その後もみやぎ県南医療生協といっしょに支援活動を継続し、山元町の方たちを支え、信頼関係を築いてきました。

支援活動にかかわってきた常務理事の安藤知(さとし)さんは、「力のある人は仮設住宅から出て、弱者が取り残されています。月日の流れとともに支援者は減っていますが、本当に支援が必要なのはこれからです」と訴えます。

児玉芳江さんは、みやぎ県南医療生協の被災地支援活動を担当する常務理事です。「毎月第2木曜・土曜は支援活動日で健康チェックやお茶会などを開いています。尼崎医療生協や神戸医療生協など全国の医療福祉生協の力を借りて、これからも支援活動を継続していきたいです」と思いを話してくれました。

こうした活動の結果、山元町の近くには医療福祉生協の事業所がないにもかかわらず、加入する人が出てきています。

健康チェックや手遊びなど

 11/ナガワ仮設住宅にて。神戸から医学生や研修医も参加して健康チェックをおこなっています
 12/災害公営住宅で輪になって、手遊びやゲームで大笑い!

多彩な協同の中で医療福祉生協の可能性を模索

専務理事の小山(おやま)茂樹さんは、次のように抱負を語ってくれました。「介護保険制度が改悪され利用しづらくなるにつれ、身の回りの困り事は地域で助け合う、共助による解決がますます求められます。今後は班会や学習会などを通して、より地域に身近な頼られる存在になることが大切。まずは、『みやぎ県南医療生協って楽しそうだな』『参加してみようかな』と感じてもらえる場づくりをすすめています」

みやぎ県南医療生協では、班会での健康づくり、町内会での学習会、助け合いの会、被災地支援など様々な形で協同しながら、地域でできることを模索しています。

しばた協同クリニックとデイサービスセンターあおぞら

 13/しばた協同クリニックとデイサービスセンターあおぞら

(編集部)
写真:大村洋介

 

<みやぎ県南医療生協>

●設立年月日 1994年
●組合員数   5,701人
●出資金   1億59万8,000円
●支部・班数 6支部 65班
●事業所数  診療所1 デイサービスセンター2
※2015年1月末日現在