地域でいっしょに(東京ふれあい医療生協):comcom1月号

~商店街を元気にした健康まつり

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“チンチン”と都電が通る昔懐かしい風景。ここは東京都北区、「ショッピングロードかじわら」です。

健康まつりを毎月やってほしい

同商店街で花屋を営む井上直人さん

「シャッター通りなんで、年に1回といわず、月に1回でも2回でも健康まつりをやってほしいです。普段は全然人がいないので、こんなに人が集まるのはありがたいです」。花屋を営む井上直人さんが思いを語ります。

2014年10月26日。都電荒川線「梶原」停留場前から北へ280メートル延びる梶原銀座商店街(ショッピングロードかじわら)で、東京ふれあい医療生協の「健康まつり」が開催されました。一般車両を通行止めにして、商店街のお店のほかに一般参加のフリーマーケットなどが連なり、大にぎわい。この日だけの臨時のお店には、行列ができていました。梶原診療所の前には即席ステージが設けられ、太極拳や日本舞踊、地元中学校のブラスバンドなどの熱演が続きます。

健康まつり

1・2・3/日本舞踊やフラダンス、自慢の歌を披露する医師などでステージは大盛り上がり
4/都電荒川線の車両があしらわれた商店街の入り口

寂しくなった商店街

梶原銀座商店街振興組合理事長の滝澤義晴さん

以前は、地元の人たちの買い物の場、生活の場としてとてもにぎわっていたこの商店街。毎月3、13、23日には、「愛宕地蔵尊」縁日が開かれています。昭和40年代ごろには、まっすぐ歩けないほどの人でごった返したといいます。

同商店街がある北区は12年に、人口に占める65歳以上の人の割合を示す高齢化率が東京23区の中で初めて25%を上回りました。

お店が減っていき、売る人も買う人も高齢化していく商店街。ラーメン屋「生駒軒」を経営する梶原銀座商店街振興組合理事長の滝澤義晴さんは、こういいます。「大手スーパーができたことや商店主が高齢になったという理由で、借りているお店の更新時にやめたりするんだよ。後継者もいないしね。自分のところも、息子は勤め人だし、後を継いでくれるわけではない。親父の代からやってるけど、2代で終わりだろうね」

移転がきっかけに

健康まつり実行委員長の石母田克美さん

東京ふれあい医療生協は、北区と隣接する荒川区を中心に活動しています。3つの診療所のうち、梶原診療所が13年9月に商店街の中に新築移転しました。診療所といっても、常勤医師8人、1日の外来患者数が約250人という大型診療所です。移転前は入院施設がありませんでしたが、「何かあったときに、診療所に入院できる機能を」という組合員の長年の願いがかない、19床のベッドを持つ有床診療所としてオープンしたのです。

同生協は13年から健康まつりをこの商店街で開催するようになりました。「以前借りていた会場の日程調整が難しかったことと、新しくなった梶原診療所を地域のみなさんに広くお披露目しようということで、商店街でやることが決まったんです」と話すのは、実行委員長の石母田(いしもた)克美さん。定年退職してから組合員活動にかかわるようになり、今回は健康まつりの実行委員長を務めています。「昨年、タバコの吸い殻がお店の前に捨てられていたので、今年は都電通り沿いの一か所に喫煙所を固めたんです」と、地域との関係に気を配っています。

健康まつり

5/梶原診療所の利用委員会が健康チェック
6/「子育て教室」が開いたお店。子どもが店員を務めます

防災活動のつながりも

王子消防団第一分団の神原三千代さん

地域のつながりは、防災活動にも結びつきました。生協内で立ち上げた「防災プロジェクト」と地元消防団がいっしょになって、救命・救護のとりくみや炊き出しをすることになったのです。

王子消防団第一分団の神原三千代さんは、「新しい消防団員がなかなか増えなくて」とこぼします。消防団は、普段は自分の職業や学業を持ちながら、平常時には地域の防火・防災の担い手として、災害発生時には消火・警戒などの消防活動をおこなう、地域の防災リーダーの役割を担っています。近年、消防団員数は全国的に減少傾向にあり、高齢化もすすんでいます。

「地域に消防団員がたくさんいないと、何かあっても駆け付けられないんですよ。なり手がなかなかいないとつぶやいていたら、健康まつりで宣伝すればと声をかけてもらったんです」。こう語る神原さんは、18年前、PTA活動を通じて知人に誘われ消防団に入りました。消防団の操法大会に参加し、女性として初めて3位入賞した実力者です。地域の集会でAED講習など救命・救護の活動や防災の啓発活動もしています。「これからは、生協の防災プロジェクトといっしょに何かできるんじゃないかな」と期待しています。

消防団員

7/消防団員がAEDの使い方などを説明
8・9/荒川区役所内で福島県産の野菜を販売している白石孝さん。この日の健康まつりにも出店しました

集まることが大事

「健康まつりは毎年やってきたけどね、商店街でやると、『生協はこんなことやってるよ』って地域の人に知ってもらえる。それに気軽に友達を連れてこられるでしょう。なんにもしなくていいから、とにかく集まる。集まってしゃべる。それがすごく大切かなって思うんですよ」と、副実行委員長の白岩清さんは商店街で健康まつりを開催する意義について話してくれました。

健康まつりをきっかけに、これまでの地域のつながりがさらに新しいつながりへと大きく広がってきています。

(編集部)
写真:大村洋介

 

東京ふれあい医療生協

<東京ふれあい医療生協>
●設立年月日 1970年6月30日
●組合員数   1万5,359人
●出資金    5億6,110万8,000円
●支部・班数  11支部 101班
●事業所数   医科診療所4 介護関連5
※2014年9月30日現在