人をつなぐ「ヘルスチャレンジ」 岡山・倉敷・津山医療生協:comcom2月号

人をつなぐ「ヘルスチャレンジ」 ―みんなでやるから続きます―

岡山医療生協・倉敷医療生協・津山医療生協

職員もいっしょにヘルスチャレンジにとりくみます

医療福祉生協がめざす健康習慣をご存じですか?

1996年につくられ、2005年の改定を経て「8つの生活習慣」と「2つの健康指標」にまとめられています。90年代後半から00年にかけて、健康習慣の具体的実践として禁煙や運動などを一定期間実施する「健康チャレンジ」のとりくみが始まりました。12年度は47生協・4万3000人を超える人がとりくみました。

今回は、岡山県の3つの医療福祉生協(岡山医療生協・倉敷医療生協・津山医療生協)が中心になって、県内10生協が加盟する岡山県生活協同組合連合会(岡山県生協連)でとりくまれている「ヘルスチャレンジ」をお伝えします。

国際協同組合年が契機に

岡山県で「ヘルスチャレンジ」のとりくみがスタートしたのは10年ほど前です。岡山医療生協が、すでに実施していた鳥取医療生協に学び、22コースではじめました。翌年には倉敷医療生協で、数年後には津山医療生協でもスタート。「ヘルスチャレンジ」「ヘルスアップチャレンジ」「健康チャレンジ」と名前も違えば、内容も違う各医療福祉生協のチャレンジがひとつになったのは、国連が定めた12年の国際協同組合年(International Year of Co-operatives:IYC)がきっかけでした。国際協同組合年には農協や漁協・生協などの協同組合が社会的認知度を高めるために、全国で様々なとりくみを行いました。

「地域購買生協に比べ、医療福祉生協は知られていない。県民に医療福祉生協を知ってもらうには、みんなの身近な関心ごとであり、医療福祉生協の得意分野である『健康』をテーマにしよう」。そう考えた3つの医療福祉生協は、それぞれに実施していた企画を統一。呼び名も「ヘルスチャレンジ(ヘルチャレ)」とし、岡山県生協連の主催で実施することに。岡山県など、それまで関係を築いていなかった自治体や県教育委員会からも後援を受けることができました。公民館や小学校でパンフレットを配布してもらうなど、より多くの県民に医療福祉生協とヘルチャレを知らせることができました。

12種類の健康づくりコース
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 8つの生活習慣

  1. 生活リズムを整え快適な睡眠をとる
  2. 心身の過労を避け、充分な休養をとる
  3. 禁煙にとりくむ
  4. 過度の飲酒をしない
  5. 適度な運動を定期的につづける
  6. 低塩分・低脂肪のバランスのよい食事をとる
  7. 間食せず、朝食をとる規則正しい食生活
  8. 1日1回以上よごれを落としきる歯みがきをする

 2つの健康指標

  • 適正体重、適正体脂肪、適正腹囲を維持する
  • 適正な血圧をめざす

12コースのチャレンジ

ヘルチャレは、12種類の健康づくりコースから1つまたは2つを選んで、9~12月の期間中に連続して60日間、仲間といっしょにチャレンジするという企画。スタート前に専用ハガキでエントリーし、実施後に結果を報告。やりとげた人には達成賞も用意されています。12年度は4184人から申し込みがあり、3343人が達成。13年度は4653人から申し込みがありました。ひとり黙々ととりくむ健康づくりとは違い、ヘルチャレは友人・職場・家族などのグループでエントリーします。

仲間がいるから、がんばれる

仲間たちといっしょにチャレンジ!毎日のラジオ体操やウォーキングが日課に。寒い日も暑い日も、みんなとなら続けられる!

朝6時過ぎ、集会所の駐車場に人が集まってきます。岡山医療生協・旭操(きょくそう)支部の野島栄子さんがラジオのスイッチを入れると、6時30分ちょうどにラジオ体操の放送が始まります。ラジオ体操第2までしっかり体を動かすと、寒い日でも体が温まります。続けていくうちに上がらなかった腕が上がるようになった人も。

ラジオ体操は土・日も含め、毎日おこないます。CDやカセットテープは使いません。6時30分にラジオから流れる放送に合わせて体操するため、ラジオ体操が毎日の生活リズムをつくっています。「あ~、今日はやめておこうかな…」。そんな日も仲間の顔が浮かび、会場に足が向きます。

岡山医療生協・山陽支部では、276人がヘルチャレにとりくんでいます。スタートした10年前は班で誘い合っていましたが、今では家族・親戚・行きつけのお店の方と参加者の輪が広がり、同時に組合員も増えてきました。ヘルチャレで医療福祉生協の健康づくりを知り、保健大学を卒業した人もいます。支部ではヘルチャレに参加している人をすべて把握しており、毎年秋になると「今年もやるよー」と声をかけます。道端で出会うと、「あなたやってる?」「やってるよ」と声をかけあうなど、ヘルチャレを通じて人がつながっています。

友達が増えた、これが一番ね

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倉敷医療生協・乙島支部の中谷桂子さんのヘルチャレは、毎晩のウォーキング。歩いている姿を見た人から「私も入れて」と声をかけられ、今は8人で歩いています。

「一人では大変だけど、みんなで歩いているから続けられます。おしゃべりしながら楽しく歩きます。家の中でくよくよ考えていたことも、歩きながらしゃべっているとサッパリします。汗をかいてストレスも発散。体重も落ちますしね。それに友達の輪が広がったこと。なんといってもこれが一番です」と教えてくれました。

津山医療生協では、国際協同組合年を機に、農協や森林組合・自治体に呼びかけ、12年度は過去最高の585人が参加しました。13年度はさらに広がり647人に。とりくみを始めた05年の2倍の参加者数になりました。支部では班を中心に組合員に働きかけ、事業所では患者さんや利用者に働きかけて参加者数を増やしています。居宅介護支援事業所では、他法人の介護事業所にも声をかけ、参加者の1割が組合員でない人で占められるほどに広がりをみせています。

ヘルチャレで始めたウォーキングが夏まで続き、熱中症の危険を避けるため卓球に変更。卓球でも盛り上がります

「みんなで」と「見えるように」が継続の秘訣

チャレンジした方から、こんな感想が寄せられています。

「みんなで話し合って、進み具合などを報告しあって達成しました。健康への意識がより高くなりました」

「血圧を毎日朝夕2回測って記録しています。血圧の変化がわかるので、食事にも気をつけるようになりました」

「市の施設でチラシを見てチャレンジしました。1日1日記録していくうちに、記入することにも意欲がわくようになり、自然と健康的な毎日を過ごせている気がします。チャレンジ前の体重より5kg減るうれしい結果につながりました。これからも継続していきます」

グループや家族と励まし合いながら、毎日記録することで日々の実践を目に見える形にする。だから、「もう少しがんばってみよう」と思える。継続の秘訣は、「仲間と実践」と「目に見える形にする」ことにあるようです。

岡山県民の健康度アップに、ヘルチャレは今後ますます貢献していくことでしょう。

(編集部)
写真:大村洋介

 

<岡山医療生協>
●設立年月日 1952年8月17日
●組合員数 6万2,534人
●出資金 18億3,136万円
●支部・班数 45支部 827班
●事業所数 病院2 医科診療所4 歯科診療所1 介護関連11
※2013年11月30日現在

<倉敷医療生協>
●設立年月日 1953年10月5日
●組合員数 6万4,095人
●出資金 16億2,236万6,000円
●支部・班数 45支部 835班
●事業所数 病院3 医科診療所4 歯科診療所7 介護関連20
※2013年11月30日現在

<津山医療生協>
●設立年月日 1980年8月5日
●組合員数 7,248人
●出資金 9,781万3,000円
●支部・班数 3支部 69班
●事業所数 医科診療所1 訪問看護1 介護関連3
※2013年11月30日現在