働く親の子育てに安心を届ける事業 ながおか医療生協(新潟県) 生協こどもクリニック 病児保育室すこやか:comcom10月号

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「子どもが熱を出したけど、仕事が休めない」
「子どもが急に病気になった時に、預かってくれるところがあったらいいなぁ」
働く親の子育ては大変です。

com_c_201310_04働く親の声をカタチに

ながおか医療生協では、12年前から病後児保育を行ってきました。
利用者から「子どもが急に病気になっても休めない時がある。預かってくれるところがほしい」との声が寄せられていました。
働きながら子育てをする人たちの願いに応えたいと、ながおか医療生協では長岡市に病児保育実施について相談。市も働く世代への支援をすすめたいと考えていました。時を同じくして、「生協こどもクリニック」の建設もすすめていたため、クリニックに併設する形で2012年11月、長岡市で初めての病児保育「生協こどもクリニック 病児保育室すこやか」(以下、すこやか)が誕生しました。

地域みんなで子育てにとりくみちょっとした困りごとも相談できる場所にしたい!

病児保育をはじめるにあたって、病後児時代の定員4人を増員したいと市に相談をしたところ、6人への増員が認められました。すこやかでは、11月以前から行っていた病後児保育だけの時と比べて3倍近く(10月33人、11月86人、12月112人)の利用がありました。長岡市は1か月あたりの利用上限を設けておらず、月に10日利用される方もいます。

長岡市職員の高野理恵子さん「働いているお父さん・お母さんから病児保育を求める声が届いており、長岡市としても、その声に応えたいと思っていました。病児保育は病状の急変などの可能性も考えられるので、医療機関と強いネットワークでつながっていないと実施が難しい。すこやかはドア1枚向こうに医師がいるので、保護者も安心して利用できるのではないでしょうか」と長岡市職員の高野理恵子さんは言います。

心配を安心に変えるかかわり

すこやかで保育士をする高橋玲子さんの言葉です。「病後児保育から病児保育へ移行した時は苦労しました。病後児は基本的に回復していく段階での保育ですが、病児は突然容態が悪くなることもあります。命を預かっているので、保育士として見極めが難しいんですよ。ここは子ども3人に対して保育士1人の体制なので、より子どもとじっくり向き合えます。みんなすごく喜んでくれています。来たばっかりの時はぐったりしていた子が元気になっていくのを見て、『すごくうれしかったです。ありがとう』という手紙をもらったこともあります。帰る時に『明日から保育園に戻れるね』って言うと、『明日もここに来る』と返してくれます。安心している子どもを見ると、お母さんたちも安心してくれます。心配な気持ちで預けていくので、帰りに子どもが落ち着いていると、お母さんも安心できるみたいですね」。
子どもと親の安心感や期待が、職員のやりがいにつながっています。

com_c_201310_05くらしに役立つ事業としての病児保育

通常の保育園とは違い、すこやかでは1日に預かる人数が6人程度です。顔の見える関係ということもあり、保護者から「子育ての仕方で迷っている」「家での看病について教えてほしい」などの相談を受けます。自宅での看病に不安を感じている保護者には、「咳が出たら胸を高くするといいよ」など、生活の中での看病の仕方を伝えていくこともあります。
普段、家ではあまり喋らない子どもの保護者から、「すこやかに来てから子どもがすごく楽しそうにしている。寄り添ってくれているのが伝わってきます」「保育園では話や相談をしようとしても、保育士さんが忙しそうにしているので気が引けるけれど、すこやかならじっくり話ができるし、子どもの成長が確認できてうれしいです」との声も。
病児保育が事業として地域住民のくらしに役立ち、安心を提供しています。

お母さんから届いた感謝の手紙

病児保育にとどまらない地域とのつながりをめざして

「『子どもは保育園や病児保育に預けたから、後はあなたたち専門家の責任ね』ではなく、子育てでは親や専門家も含めて、地域みんなが子どもに向き合っていくことが大切です。子どもを中心にして親・専門家・ご近所さんなどがそれぞれの立場で、できることをする。そんな子育てができたらいいですね」。こう語るのは生協こどもクリニック所長の磯部賢諭医師です。
「保護者同士の横のつながりを育てたい。開業医などの方たちにも病児保育にとりくんでもらい、子育ての安心を広げたい」。すこやか職員と市の職員の思いも同じです。

com_c_201310_07「ながおか医療生協には、医療・福祉分野に幅広く携わっていただいており、市として非常にありがたいです。すこやかは病気の子どもを預かる病児保育室としての役割に加え、困りごとを相談できるような場所になってもらえると嬉しいです。今以上に利用者に寄り添い、地域の身近な立場から子育て家庭を支えていただきたいですね」。長岡市からの期待も大きいです。

地域住民に、「不安や悩みはあそこで聞いてみよう」という安心を届ける事業をすすめ、ながおか医療生協がさらに地域にとけ込んでいく。そんな未来をめざして、子どものみならず、高齢者も含めた「支援」という大きな枠で地域貢献していきます。

仕事と子育ての両立に悩む働く世代を支援したい!行政の思いも同じでした

com_c_201310_09〈ながおか医療生協〉
●設立年月日 1994年11月24日
●組合員数8,088人
●出資金3億1,405万円
●支部・班数 8支部 48班
●事業所数25
※2013年3月31日現在