「認知症者の生活支援実態調査」報告会

「認知症者の生活支援実態調査と支援方策の開発に関する臨床研究」報告
~平成24年度厚生労働省老人保健健康増進等事業~

2013年3月28日、医療福祉生協連(東京都新宿区、髙橋泰行会長理事)は、平成24年度厚生労働省老人保健健康増進等事業「認知症者の生活支援実態調査と支援方策の開発に関する臨床研究~適切なトータル生活サポートと医療・介護の連携のあり方について~」の調査結果報告会を開催しました。

会場の東京都生協連会館(東京都中野区)に、11生協のケアマネジャー・介護士・看護師など27人が集まりました。伊藤大介氏(日本福祉大学健康社会研究センター研究員)が調査結果を報告しました。

 調査では、全国39都府県の101医療福祉生協の居宅介護支援事業所・地域包括支援センター、計296ヵ所から寄せられた調査票4,657名分と医療・介護の連携に関する質的調査について、日本福祉大学健康社会研究センターの協力を得て分析しました調査結果につきまして、当会ホームページ等に、近日中に掲載し公表する予定です。また、同内容の報告会を、3月29日(金)大阪で開催します。

厚生労働省のホームページの「平成24年度老人保健健康増進等事業」のサイト

▲報告者:伊藤大介研究員  

▲報告者:伊藤大介研究員  

▲会場の様子

▲会場の様子

◇調査結果の概要

(1) 早期診断の重要性
70以上ある基礎疾患レベルでの診断がケアを構築する上で非常に重要となる。 本調査では、認知症自立度Ⅰ以上の利用者4,657名のうち、認知症診断を受けているケースは55.8%、原因疾患の診断を受けているケースは34.5%であった。「認知症高齢者の日常生活自立度」別にみると、Ⅱaまでは認知症の診断を受けていない割合のほうが高く、Ⅱb以上では診断を受けている割合が高くなるという結果であった。又、介護を開始する以前に認知症の診断を受けたケースは、介護を開始してから受けたケースより家族関係が良いという結果を得た。

(2) 認知症の人と家族の生活実態
① 在宅で暮らす認知症者全体のうち21.9%は一人暮らし(「単独世帯」)であった。ただし「認知症高齢者の日常生活自立度」が重度になるほどその割合は減少した。
② 主介護者は91.2%のケースで存在し、70歳以上の者も31.6%いた。主介護の続柄は「娘」の29.6%が最多で「妻」「嫁」の順で続いた。
③ 「単独世帯」と「親と子のみ」世帯では、経済的に苦しい世帯の割合が高かった。 主介護者の性別については、ほとんどの生活類型において女性が多くなっていたが、「自立度Ⅰかつ親子(子供一人)」「自立度Ⅱかつ親子(子供一人)」においては男性が多くなっていた。

(3) 医療と介護の連携について
主治医とケアマネジャーの連携について、連携が取れているとケアマネジャーが判断している利用者の割合は6割程度であった。主治医のサービス担当者会議への出席が一度もない、あるいはそもそもケアマネジャーが出席依頼をしていないケースは合計で89.5%あった。 サービス担当者会議よりも「顔の見える関係づくり」「日々の小さなやりとりを円滑にする」「連携が進むツール開発と活用」などが連携を促進する要因として示唆された。

(4)インフォーマルサポートの状況について
①家族以外の提供主体からのサポートがあるケースは、高いものでも20%未満であった。
②認知症になる以前に地域活動(町内会、老人会、趣味やボランティアのグループ)に参加していたケースのほうが近隣住民や友人のインフォーマルサポートを受けている割合が高かった。

(5)認知症ケアマネジメントについて
①認知症の進行にともなう「今後の生活の見通し」を家族に説明しているケースのほうが、家族の認知症に対する理解が良くなっているという傾向があった。

<問い合わせ先>
日本医療福祉生活協同組合連合会 会員支援部 担当:藤井 電話:03-4334-1580