まつりをつくる 元気をつくる 生活協同組合ヘルスコープおおさか 赤川都島支部・生江支部・中宮支部・旭陽支部・旭東支部・今市支部:comcom11月号

 

大阪市旭区

大阪の市街地を北東の方向へ抜け、淀川にさしかかる手前。そこに人口約9万人の旭区があります。住宅が軒を連ねる下町です。かつては12万人を優に超える人々が住み、活気のあったところですが、近年は高齢化がすすんでいます。とりわけ国道1号線の西側、生江という地域はその現象が顕著です。

生江商店街通りと「あかがわ生協診療所」

商店街通り…、といってもにぎわいはありません。灼熱の太陽が照りつける、そんな季節だったからかもしれませんが、閑散としていました。この通りにヘルスコープおおさかの「あかがわ生協診療所」があります。合併以前の旭医療生協時代に運営していた赤川診療所を300mほど離れた生江の地に移し、「あかがわ生協診療所」と名づけ、2006年の春、オープンしたのです。

組合員ルームは大忙し

旧診療所時代はスペースが確保できず、どうしてもつくることができなかった組合員ルーム。それが新しい診療所の2階にできたのです。さっそくサークル活動や食事会が活発化しました。オカリナ・ハーモニカ・歌声・フラダンス・ころばん体操・子ども料理教室・男の料理教室など20種類ものサークルが、入れ替わり立ち替わりで活用しています。その一方で、あかがわ生協診療所地区を構成する6つの支部から、食事会や配食サービスをおこなうボランティアのみなさんが集まってきます。食事会は毎週3回という頻度。組合員ルームに来られない人たちのために「見守り」を兼ねた配食サービスもおこなっています。

近所の人がいいます。
「以前はちょっと寂しかったけど、診療所ができたせいで活気が出てきた気がするな」

まつりをやろう

「安いねぇ!」「ありがとうございます」診療所の職員も大奮闘

00年の合併を経て、旭医療生協からヘルスコープおおさかのあかがわ生協診療所地区となった生江・赤川都島・中宮・旭東・旭陽・今市という6つの支部には、以前から変わらぬ強い思いがあります。それは高齢化が進行している自分たちのまちを、安心して住み続けられるまちにしたい、元気なまちにしたい、ということです。そのためには地域との連携を大事にしなければなりません。移転した生江の地でも地域の人々とつながりたい。何をやれば…。知恵を絞っているうちに浮かんできたのが「まつり」です。

常務理事の小森佳子さんがいいます。
「診療所前の生江商店街通りは、活気があった頃、夜店通りといってにぎやかだったんです。今、その面影はありませんけど…。みんなで話し合っているうちに、ふと昔の光景がよみがえってね」

話は具体化していきました。
「町会、老人会、子ども会、商店会、スーパーなど町内にある組織や団体と実行委員会をつくり、まつりをつくる。まつりをつくって地域とつながろう」

そして、07年8月。第1回目の「生江deワイワイ元気まつり」が開催されました。ふだんは静かな生江商店街通りですが、その夜は人であふれました。みんな、こんな日を待っていた。それがよくわかりました。

定着

おいしそうに仕上がったキャベツ焼き売れるかな?

あかがわ生協診療所地区が考えたこと。それは、医療福祉生協中心のまつりにしない、ということでした。「地域のみんなでつくる地域のまつり」に、こだわったのです。まつりをはじめた頃は、企画づくり・打ち合わせの進行・プログラムの作成・各種模擬店の担当・当日の準備。どの場面を取っても支えているのは医療福祉生協のパワー。とりわけ模擬店に関しては、組合員ボランティアのパワーがなければ考えられないというのが実態だったのです。

その役割をねばり強く地域に広げ、まつりをつくる人びとを増やしていきました。

結果、1回目は2回目へ、2回目は3回目へとつながっていったのです。回を重ねるなかで元気まつり実行委員会も成長しました。協賛金を集め、盆踊り用のやぐらをつくり、音響設備を整え、まつり提灯の数を増やし、06年まではなかった地域のまつりをつくりだし、定着させたのです。

地域の人がいいます。
「医療福祉生協がなければできないまつりだ。しかし、俺たちがいなければ、やっぱりできないまつりだ」

まつりを通して、地域とのつながりが確かなものになりました。

第6回「生江 de ワイワイ元気まつり」

盆踊りがはじまると雰囲気は最高潮

今年8月4日。第6回の「生江deワイワイ元気まつり」が開催されました。その日、診療所の組合員ルームではボランティアのみなさんが模擬店の準備に追われていました。鶏のから揚げ・おでん・ポップコーンなどを手際よく仕込んでいきます。診療所前の生江商店街通りは午後から車両通行止め。まつりのための歩行者天国になるのです。地域のみなさん、医療福祉生協の組合員がいっしょになって汗を流し、盆踊り用のやぐらを建て、模擬店用の長テーブルを並べていきます。地域の電気屋さんが、通り沿いの軒先にまつり提灯を飾り付けていきます。午後4時半、オープニングの和太鼓が鳴り響きます。やがて灼熱の太陽が沈み、夜の帳がおりると、まつりは一気に盛り上がりました。第1回目は1500人ほどだったとのことですが、時を経て今年、なんと3千人近い人が押し寄せたのです。道路にずらりと並ぶ模擬店の値段は、最高額で250円。たいていのものが100円前後で飲んだり食べたりできるのです。例えば、「かき氷・ミルクかけ放題100円」とか…。おじいちゃん、おばあちゃん、この値段ならいくら孫にねだられても笑顔でこたえてあげられます。

地域の人がいいます。
「まつりのおかげで子ども夫婦が帰ってきますねん。こうして孫といっしょに歩けるのも、まつりのおかげですわ。ほんまにありがたいことです」

まつりをつくる 元気をつくる

ボランティアさんも模擬店の準備で大忙し

まつりのあと、支部のみなさんにお話を伺いました。みなさんが口々にいいます。

「6つの支部の団結と、ボランティア活動の広がりがなければ、こういうとりくみはできません。旭医療生協時代から大事にとりくんできたボランティア活動が、組合員ルームの食事会、配食、地域の見守りといった活動を支えているし、まつりも支えているんです。みんな自分のまちが好きだから、楽しみながらがんばれるんです」

来年に向けて

みなさんの話が続きます。
「来年は、ぜひとも世代を超えたとりくみにしましょう。医療福祉生協をつくる。そんな人を探しましょう」

話はすでに来年の夏へと飛んでいました。

ボランティアさんも模擬店の準備で大忙し生江地区に新築移転した「あかがわ生協診療所」。この通りがまつりの会場になるのです

〈生活協同組合 ヘルスコープおおさか〉
●設立年月日 2000年4月1日
●組合員数 7万6,676人
●出資金 16億8,105万円
●支部・班数 55支部 602班
●事業所 病院1 医科診療所9 歯科診療所3 介護関連20

〈あかがわ生協診療所地区(6支部)〉
●設立年月日 2000年4月1日
●組合員数 4,311人
●班数 44班
●運営委員数 72人

※2012年6月30日現在