医療福祉生協の理念をつくろう(18) 組合員参加が医療福祉生協のいのち:comcom8月号

医療福祉生協連専務理事 藤谷惠三

国際協同組合年もすでに半分が過ぎました。各地で活発に協同組合間の交流や、協同組合の活動に関する社会的な発信がおこなわれています。私も他の協同組合の会議や集会に参加するなどの機会が増えています。その中で必ず聞かれるのが、「医療福祉生協の組合員が活動する楽しみは何ですか」「元気で医療や介護事業を利用しない人が、なぜ医療福祉生協に加入するのですか」「医療福祉生協の組合員になるメリットは何ですか」という質問です。質問の多くがシンポジウムや講演で寄せられるので、司会の方からいつも「手短に答えてください」といわれます。そのたびごとに「医療福祉生協の理念が決まれば、簡潔に説明できるのに…」と感じます。

 

これらの意見の根底には、「通常はよい商品やサービスを受け取るために協同組合に加入するが、医療や介護は組合員になっても特別なサービスが受けられないのでメリットがない」「組合員が生協活動に参加するのは、何か強制力が働いているのか」「医療・介護は、専門家の分野なので組合員の出番はない」などの疑問や考え方があるようです。

私はまず「医療福祉生協の組合員は、地域まるごと健康づくりのために活動しています」ということを伝えています。自分の健康だけでなく、家族や地域の人たちが健康になることに関心を持っていること、そのためには「まちづくり」が必要なこと、活動の中でみんなが力を合わせれば、様々な要求が実現していく楽しさを知るようになること、などを説明します。そして、「組合員は仕方なく活動しているわけではなく、専門家と力を合わせたり、専門家の確保や育成にもかかわる中で、健康の主人公として活動しているのです」とお答えしています。

 

こういう論議を通して、あらためて医療福祉生協は他の協同組織以上に「組合員参加」の仕組みをつくることが大事だと感じています。組合員が成長するためにも、主体者になるためにも、その基本は「活動に参加」することです。医療福祉生協には、組合員になるだけで自動的に受けられるサービスが少ないため、組合員の側から自主的に参加できる環境をつくることが求められます。

貧困や格差の拡大、仕事の忙しさなど、くらしの困難が増していますが、だからこそ日常的に医療福祉生協の活動への参加を呼びかけることが私たちの大事な仕事になります。