医療福祉生協の理念をつくろう(16) 私たちは何をめざしているか:comcom6月号

医療福祉生協連専務理事 藤谷惠三

理念の3つのキーワード(2)

前回は「私たちは何者か?」について考えました。「私たち」とは、「地域住民と医療や福祉を担う職員」の両方をさす言葉であり、その両者が「同じ組合員として協同する生協」というのが、「私たちは何者か?」の答えになったと思います。

今回は、その両者が「何をめざしているのか」を考えてみましょう。

 

私たちが毎日活動するためには、「何のために」という目的が必要です。職員なら「給与を得るために」というのも目的のひとつですし、組合員なら「来月の健康まつりを成功させるために」という目的もあるでしょう。これらも目的のひとつですが、それだけでは「困難な中で医療福祉生協の活動を続けよう」とか、「医療福祉生協をもっと発展させよう」というエネルギーは出てきません。

医療福祉生協が発展するためには、毎日の活動の基礎になる普遍性をもった「目的」、あるいは組合員が共通してめざすもの、医療福祉生協があってよかったといわれる「社会的使命」を示すことが必要です。理念づくりは、日本中の組合員の力でこの根本的な目的を決めることです。すでに何度も見てきたように、「よい医療や福祉を提供するために」ということだけでは目的としては狭いことが明らかになっています。社会の変化の中で医療や福祉の事業を大事にしながら、健康づくりやまちづくりの視点を中心に、元気な時にも必要とされる医療福祉生協となることが求められています。

 

理念をめぐる論議の中では、この視点から「私たちは、健康なまちをつくる生協です」「まちに住み続けるための協同をつくる生協です」「私たちは、協同の力でいのちをはぐくむ生協です」などの案が出ています。私たちは理念づくりの中で、「地域の人たちは、なぜ医療福祉生協の組合員になってくれるのだろうか」「組合員が本当に求めているものは何だろうか」と考え続けています。この答えがはっきりすれば、地域の組合員や職員は、どんなサービスを提供すればいいのか、どんな対応をすれば良いのかが明確になり、事業の規模や内容は違っても、全国どこでも同じ医療福祉生協の価値が発揮できます。

280万人の組合員が「私たちはなぜ医療福祉生協の組合員なのか」の理解を広げ、自分たちの使命を理解して活動するようになれば、医療福祉生協の活動はさらに飛躍的に前進します。