医療福祉生協の理念をつくろう(15) 私たちは何者か?:comcom5月号

医療福祉生協連専務理事 藤谷惠三

理念の3つのキーワード(1)

2年間続けてきた「医療生協の患者の権利章典」をめぐる論議や医療福祉生協の役割の確認の中で、私たちが理念に込める想いが鮮明になってきました。理念のもとになるキーワードは、次の3点に集約されてきています。

(1)私たちは何者か
(2)私たちは何をめざしているか
(3)私たちはそれをどうやって実現しようとしているか

今回は、「私たちは何者か」について考えてみましょう。

医療福祉生協の最大の特徴は「地域住民と医療や福祉を担う専門職が同じ組合員として協同する」という点です。これは、一般企業はもちろん、他の協同組合、生協と比べても際立った特徴です。

協同組合の多くは、商品を介して組合員が結びついています。農協のような生産者の協同組合は、農業従事者など生産者の利益を目的に結びついています。

購買事業をおこなう生協は、消費者の協同組合という立場が基本です。生産者から共同で商品を仕入れ、組合員で分かち合います。組合員が共同で商品を開発するということもありますが、今では生産は業者に任せることが一般的です。

医療福祉生協は、人に対するサービスを事業とする生協であるため、サービスを提供する人も、提供される人も同じ組合員になることができます。その特徴を活かして、他の事業体では真似のできないサービスの形をつくることが可能です。つまり、サービスを受ける人が、自分の欲しいサービスを自らつくりだせるということです。誰かに自分の人生を任せるのでなく、「自分の人生の主人公として、いのちを輝かせることができる」ことが医療福祉生協の最大の魅力です。

理念の論議の中では「私たちは、協同の力で明るい人生をつくる生協です」「自立した市民の協同で健康をつくる生協です」「協同の力で健康の自己主権を実現する生協です」などの案が出ています。

これからみなさんといっしょに、この「組合員自身が欲しいサービスを、医療福祉の専門家といっしょに創っている」という特徴をわかりやすい、短い言葉にまとめていきたいと思います。