医療福祉生協の理念をつくろう(13) 私たちの活動の到達点を何でみるか:comcom3月号

医療福祉生協連専務理事 藤谷惠三

医療福祉生協などの協同組合は、一般の企業とは違う特徴をもっています。

国連は今年の国際協同組合年で「協同組合がよりよい社会を築きます」をスローガンに、協同組合の特徴を活かして貧困の削減・仕事の創出・世界的ネットワークやコミュニティの構築・平和などに貢献しようと提起しています。

今回は、医療福祉生協の成果や評価が一般企業と違う点について考えてみましょう。

通常、私たちの活動評価には「組合員・出資金ふやし」「班会開催や支部づくり」「事業剰余」「予算達成率」などの指標を使っています。これらは活動内容を見るうえでとても大事な視点です。しかし、よく考えると私たちの活動成果を直接測るものではないことがわかります。

私たちの使命・存在意義は「組合員の幸せ」「安心してくらし続けられるまちづくり」です。先にあげた「組合員数」「出資金額」「事業剰余」などは、その使命を達成するためにどういう努力をしたかを示す数字であり、使命を達成する条件を拡げたという意味を持つ数字です。

本来、自分たちの活動の到達点や達成度を見るためには、その努力(組合員ふやしや事業の拡大など)によって「何が起きたか」を論議し、確認することが中心になるべきです。「組合員をふやしたことで何が達成できたか」「まちがくらしやすくなったか」「組合員のいのちを救えたか」などが自分たちの活動を評価する基準です。

ところが、これらの評価は大変難しく、数値などによる客観的な指標がつくりにくい上に、「独りよがり」「根拠がない」といわれやすいと思います。

一般の企業は、資金を投入して事業活動をおこない、その成果は「儲け」で判断することができます。しかし医療福祉生協などの協同組合では、資金(出資金や利益)と組合員活動などによって得られる成果は「儲け」だけで判断できません。企業では「投資に対してどれだけ利益が得られたか」が評価の基準になりますが、私たちは「使った資源に対して、どれだけ効率的に使命を達成し、社会に貢献したか」が評価の基準になります。

なかなか難しいのですが、組合員ふやしや事業剰余などの指標をもとに「この1年間で地域(医療・福祉事情も含めて)にどう貢献できたか」の評価を支部や職場で話し合ってもらいたいと思います。その論議を通じて、私たちが「なにを使命と考えているか」が明確になります。これこそが医療福祉生協の「理念」そのものだといえるのではないでしょうか。