地域のニーズにこたえきる 津軽保健生協(青森県)和徳(わとく)支部:comcom2月号

 

ニコニコデー

カラフルな法被が人目を引きます

奥羽本線・弘前駅から北へおよそ1・5km。繁華街をそれて住宅街が広がるあたり。そこに津軽保健生協の健生病院と健生クリニックがあります。その健生クリニックの入り口を入ると、法被を着込んだ組合員のみなさんが笑顔で迎えてくれます。毎月25日におこなわれる和徳支部の「ニコニコデー」です。「2」と「5」の音をもじって名付けました。

「みなさん、ここは津軽保健生協のクリニックです。生活協同組合、生協のクリニックです。まだ組合員になっていない方は、ぜひ加入をしてください。組合員の方には増資をお願いします。いっしょに力を合わせて弘前の健康の砦、津軽保健生協を大きく育てていきましょう」

医療福祉生協の紹介パンフレットや加入申込書などを広げた机のわきで、繰り返し「呼びかけ」をおこなう「ニコニコデー」。知っている利用者さんは慣れたもの。「ごくろうさん」とあいさつを交わし、その場を通り過ぎていきます。しかし、初めて出くわす利用者さんは思わぬ「歓迎」にちょっと戸惑い気味。具合が悪くてやってきた診療所。そこで突然の「呼びかけ」と、笑顔の法被姿に出会うのです。無理からぬことかもしれません。

患者さんに気を使いながら加入や増資の訴えをする理事の斉藤義雄さん

理事の斉藤義雄さんがいいます。
「ここはクリニックの待合室。患者さんへの配慮が必要です。かといって、呼びかけなければ、新規加入や増資につながりません。そのへんが難しいですね。しかし、毎回、新規加入してくださる方、増資に応じてくださる組合員がいます。ですから、工夫を重ねながら定着させていきたいと思っています」

和徳支部

津軽保健生協・健生病院の周囲で活動を続けていた「一中支部」は4千人をはるかに超える大きな支部となり、分割の必要に迫られていました。そして2004年、様々な困難を乗り越えて支部の3分割を実現したのです。その時に生まれたのが北東支部、時敏支部、そして和徳支部でした。支部を分割する際の最大課題は、その後の活動を構築していく運営委員会の体制づくりです。和徳支部は支部長に高松利昌さん、副支部長に高屋洋子さん、事務局長に佐藤倖造さんを据え、8人の運営委員を揃えました。

副支部長の高屋洋子さんがいいます。
「分割前は、班会をやる程度でしたからね。運営委員を頼まれた時は、そりゃ戸惑いましたよ。ニコニコデーに初めて参加した時は、声も出ませんでした。それこそボソボソという感じで…。それでもね、声をかければ聞いてくれる、わかってくれる、出資もしてくれる。みなさんが医療生協を頼りにしている。それが実感できたんです。で、だんだんと自信がついてきてね。じつはニコニコデーを定例化しようって提案したのは私なんです」

「これを機会に増資を…」

運営委員の水戸清江さんがいいます。
「私もね、最初のうちは右も左もわからなかったんです。でも運営委員になって、よかったと思います。いろいろな人と語り合う機会も増えたし、ほかの医療福祉生協の人たちとも交流できるし。なんといっても生きた社会勉強ができますからね。これが一番ですよ」

支部長の高松利昌さんがいいます。
「案ずるより産むがやすし、という言葉がありますけれど、まさにそれですよね。最初のうちは右往左往みたいなこともあったけれど、最近は支部の課題が共有できるようになり、みなさんがそれぞれの力を発揮してくれるようになりました」

ニコニコデーを知っている人は「ごくろうさん」、知らない人は「何やってるの?」

支部誕生から7年。活動方針を定め、年間行事を組み立て、支部ニュースを毎月発行し、津軽保健生協の機関紙と組み合わせてほぼ100%に近い手配りをおこなう。そういう支部になったのです。

先人の知恵?

ニコニコデーのほかに和徳支部が力を入れているものがあります。それは、地域の組合員とともに楽しむレクリエーションです。雪のない季節になると、健生病院に常備されているバスを活用し、毎月のように出かけるのです。運営委員さんたちがいいます。
「健康づくりにもいいし、親睦にもなるし、みなさんが楽しみにしていますからね」

事務局長の佐藤倖造さんが続けます。
「支部にとっても重要なとりくみなんです。というのは、その参加費と組み合わせて出資金もいただくという仕組みになっていますからね。例えば、参加費が2500円だとしたら、参加実費は1500円。残りの1000円は出資金というわけです。参加と同時に出資もしていただく。参加者のみなさんも一度に済むし、手間がかからなくていいといってくれます。私たちの先輩もこの方式でやってきたようですよ」

この「しっかり・ちゃっかり」したアイデア。これは、津軽ならではの「人づきあい」の中で生みだした先人の知恵、なのかもしれません。

「少しでも心に安らぎを」花壇づくりをする和徳支部のみなさん(提供:津軽保健生協組織部)

支部長の高松利昌さんが続けます。
「ともすれば孤立しがちな高齢者のみなさんに声をかけ、『集いの喜び』を体験してもらう。それには、『参加できて楽しめる企画』が必要なわけです。和徳支部のレクリエーションは、地域のニーズにこたえていこうという気概のあらわれ。これが本質。『しっかり・ちゃっかり』が本質ではありませんからね。誤解のないように…」

次の峰に向かって

和徳支部のみなさんがいいます。
「お互いに力を出し合って様々な活動をやっています。しかし、支部の活動を地域に広げきれていないという反省があるんです。やはり、組合員の顔が見える支部活動を実現するためには、さらなる支部分割が必要なんです。これが課題ですね。となると、担い手づくりをしなければならないわけだけれども、地域にどんな組合員がくらしているのか、どんなマンパワーがあるのか。そうした実態が、まだまだ把握しきれていない。だから、この先の展望をひらくためには、地域を歩き、対話をし、組合員の力を引き出すとりくみを本格化させなければ。ぜひとも越えなければならない峰です」

静寂の中で開かれるお茶の会。こんな班会もあるのです

支部長の高松利昌さんがうなずきながら続けました。
「もうひとつは、一人ぼっちの高齢者をつくらないというとりくみの具体化ですね。安心してくらし続けられる地域づくり・まちづくり、これをどう実現していくか。これからは自分たちでできることは実践し、できないことについては地域の力を組み合わせてすすめていく。そんなふうに課題を整理して、一歩ずつ歩いていきたいと思います」

津軽保健生協の未来を背負う和徳支部。桜咲く季節にどう動くのか。これからの活動に「乞う ご期待!」です。

「こんな食事会をやりたいね」仲よく食事をする運営委員のみなさん

〈津軽保健生協〉
●設立年月日 1952年9月4日
●組合員数 6万2,804人
●出資金 13億5,486万1,500円
●支部・班数 35支部 444班
●事業所 病院2 医科診療所5 介護関連12

〈和徳支部〉
●設立年月日 2004年9月26日
●組合員数 1,725人
●班数 11班
●支部役員数 11人
※2011年11月30日現在