医療福祉生協の理念をつくろう(12) 医療福祉生協、ひと言でいえば何?:comcom2月号

医療福祉生協連専務理事 藤谷惠三

「地域の人たちに医療福祉生協をわかってもらうのに苦労する」という話をよく聞きます。新入職員からは、「家族に医療福祉生協の説明がうまくできない」という声が上がります。

私たちは、なぜ医療福祉生協の活動や事業を理解してもらうのに苦労するのでしょうか?

 

私は、2つの理由があると考えています。ひとつは、生活協同組合が医療や福祉サービスをおこなっていることが知られていないためです。「医療福祉生協」といっても、特別な医療や福祉のサービスを提供しているわけではありません。診療内容や診療にかかる費用は他の医療機関といっしょです。地域の方々が日ごろ接する医療機関の多くは、私立の医療法人や日赤、国公立の医療機関などです。医科の診療所で見ると、全国に9万3千ある診療所のうち医療福祉生協の診療所は344しかありません。医療福祉生協があることが、ほとんど知られていないのです。

もうひとつは、私たち自身が「生協」として医療や福祉事業を運営していることの意味や事業の特徴を深く捉えていないことがあります。職員・組合員が「医療福祉生協ならではの医療や介護事業の特徴」を意識することがまだまだ少ないのではないでしょうか。「満足度が高い医療・介護サービスの提供」などは、私たちのとりくみの重要な側面を表しています。しかし、「なぜ生協が医療福祉サービスをおこなっているのか」の答えにはなっていません。

この答えを出すために、医療福祉生協を広く社会に知らせることと、私たちが自らをきちんと説明できる言葉を持つことがカギになります。医療福祉生協の理念づくりは、この2つのことを達成することが目的です。

医療福祉生協の活動にはいろいろな場面があります。その中心、活動の原動力になっているものを見つけて言葉にする、これが理念づくりです。その言葉は、人それぞれ違うと思いますが、その中で最も魅力的な言葉を「理念」にしたいと思います。その言葉こそが、時代が求める医療福祉生協の役割であり、多くの国民が医療福祉生協に参加するキーワードになります。