医療福祉生協の理念をつくろう(11) 2つに分けられる日本国民:comcom1月号

医療福祉生協連専務理事 藤谷惠三

日本人を2つに分けるとすると、どんな分け方が思い浮かびますか? 男性と女性、若者と高齢者、元気な人と病気の人、革新的な人と保守的な人…、いろいろ浮かぶでしょう。医療福祉生協から見ると、次の2つに分けることができます。

「組合員とその家族」と「非組合員の人」です。私はよく「この世の中は組合員と非組合員で構成されている」という話をします。ちょっと極端に聞こえますが、私たち医療福祉生協にとって組合員(家族も含めて)であることと、そうでないことは決定的に違うと思います。

本来生協は、事業を通じて出資金を出した組合員に最大奉仕をすることを目的とした組織です。ところが普段の私たちの活動では、組合員とそれ以外の人を意識することが案外少ないのです。

例えば、公的保険を使う医療や介護の事業で、組合員と組合員以外を区別したり、組合員だけを優遇することはできません。まちづくりの運動でも、組合員だけがとりくむ運動では限界があるため「地域まるごと健康づくり」にとりくんでいます。これは医療福祉生協の優れた特徴でもあり、生協法の目的にあるように「国民生活の安定と生活文化の向上」に大きく寄与するものです。

しかし一方で、「医療福祉生協に入ることと入らないことの違いは何か」「組合員になってよかったと思ってもらうためにはどうすればいいか」「組合員になるメリットは何か」「組合員になれば何ができるのか」などの質問にしっかり答えられなければ、組織も事業も大きく発展することができないと思います。

答えはいろいろ考えられます。この問題をテーマにした研修会では、「医療や介護事業の利用者ではなく主体者になれる」「健康やくらしのことをみんなで学び、協力し合うことができる」「自分のくらしだけでなく、社会全体をよくする活動に参加できる」などの答えが多く出されます。

私は、これらの答えの中に「医療福祉生協とは何か」、つまり医療福祉生協の理念が示されていると思います。ちょっと長いのですが、「健康やくらしの主体者として成長することができ、社会全体の幸せのための活動をすすめる」。これが医療福祉生協の理念のひとつの側面ではないかと思います。