受診時定額負担の導入に反対します

2011年11月5日
日本医療福祉生活協同組合連合会
会長理事 髙橋泰行

 政府は高額療養を受ける患者さんの負担軽減を目的に病院や診療所にかかった時に新たな負担を求める「受診時定額負担」を提案しました。
 現在、患者さんは医療機関に受診した際は、年齢により医療費の3割もしくは1割を窓口負担金として支払っています。
 厚生労働省の社会保障審議会・医療保険部会などで議論されている「受診時定額負担」は、これに加え、さらに受診するたびに100円の支払いをさせようとするものです。これは患者負担を2割から3割に上げた2002年の健康保険法改定の際に「将来にわたって7割の給付(患者負担3割)を維持すると明記されている付則をやぶるものです。

 医療技術の進歩によりかつて治療が困難であった病気も治るようになりました。一方で、こうした治療は高額で、患者さんにとって負担は大変重いものになっており、負担を軽減することは急務の課題であると言えます。

 しかし、病気治療で高額となった治療費の負担軽減のために、別の病気で通院している患者さんからそのための財源を求めることは理屈が通りません。 そもそも、病気治療をしている人だけが、その費用を負担するという仕組みを取り入れることは国民皆保険制度の原理に反するものです。必要な費用は、税と保険料により国、企業、国民がそれぞれ公平に負担すべきものと考えます。

 負担金額について政府案は100円と提案されていますが、過去に負担金が引き上げられた「実績」からすると今回の100円もいずれ500円、1000円になって行くことは誰の目から見ても明らかです。受診回数が多い、また所得が少ない患者さんにとっては、受診抑制につながり、治療の妨げとなるものです。

 日本は、世界に誇る「国民皆保険」制度で、いつでも、どこでも、誰でも等しく医療を受けることで、長寿社会を築いてきました。 しかし、今回の「受診時定額負担」は、所得によって医療を受けることができなくなる仕組みです。医療に格差をもたらし、国民皆保険制度の崩壊につながる新たな制度の導入には断固反対します。

 医療福祉生協連は「受診時定額負担」の導入をやめさせるために日本医師会をはじめ、国民医療推進協議会など多くのみなさんと署名や要請行動など国民的な運動をすすめて行きます。

以上