医療福祉生協の理念をつくろう(7) 「私たちはそもそも、何をしたいんだっけ?」を考える:comcom9月号

医療福祉生協連専務理事 藤谷惠三

「医療福祉生協の理念」づくりは、私たち一人ひとりが医療福祉生協運動で大事にしている思いや価値観を「ひと言」で確認することです。その出発点は、私たちの活動の目的を明確な言葉にすることだと思います。

「医療福祉生協の目的がわからないままで仕事や医療福祉生協運動をしている人はいない」と思いたいのですが、現実はなかなかそうはなっていないと思います。毎日の仕事や活動の中で「深く考えないで目の前の仕事と活動をこなしている」「課題を目的と混同している」ということはありませんか?

がむしゃらにがんばれば成果が上がる時代なら、目の前の課題や仕事に全力でとりくむだけでよかったのかもしれません。しかし、社会が大きく変わり始め、これまでのやり方が通用しなくなっている今だからこそ、根本に立ち返って「本来の目的」を再確認することが大切です。

 

私は、この目的を確認するのに最もよい問いかけが「私たちはそもそも、何をしたいんだっけ?」だと思います。「本来の」ということを「そもそも」という言葉で問いかけるのがミソです。

たとえば、「よい社会をつくりたい」という答えなら、
「今、具体的にはどうすればいいと思う?」
「まずは格差社会をなくすことかな」
「格差をなくすためにはどうすればいい?」
「社会保障の充実だね」
「そのために私たちに今何ができる?」
「格差の実態を明らかにして多くの人に知ってもらうことかな」…
というように課題もはっきりしてきます。

あるいは答えが「患者さんに安心して治療を受けてほしい」なら、
「そのためには何が必要だと思う?」
「病状と治療方針の丁寧な説明かな」
「今、この病棟でとりくめることは?」
「治療計画全体を共有して患者さんにもきちんと説明することだね」…
などです。

 

理念づくりは、この「私たちはそもそも、何をしたいんだっけ?」を全国の医療福祉生協の役職員・組合員でいっしょに考える運動です。問題意識や立場の違いによって様々な答えが寄せられると思いますが、それらを論議することによって、その日から活動や仕事にかならず変化が起こります。

「医療福祉生協はそもそも何をしようとしているの?」という国民の声に全国の役職員・組合員が「ひと言」で答えられるようになった時、医療福祉生協運動の新たな時代が開かれるのだと思います。