医療福祉生協の理念をつくろう(5) 今なぜ「理念」が必要なのか:comcom7月号

医療福祉生協連専務理事 藤谷惠三

6月7日の医療福祉生協連第1回通常総会で「医療福祉生協の理念」づくりを2年間かけておこなうことが決まりました。そこであらためて、なぜ今理念をつくるのか、について考えてみたいと思います。

 

まず、私たちは理念を「全国の医療福祉生協がこうあるべきだという根本の考え方を示すもの」で、「医療福祉生協の使命(目的や存在価値)を明らかにするもの」と定義しました。ひと言でいえば「何のために医療福祉生協があるのか」を明らかにするということです。

今でも医療福祉生協は存在するのですから、「いまさら」と思われるかもしれません。しかし、私は2つの理由から少し時間をかけてゆっくり自分たちの組織や活動の存在意義を検討する必要があると考えています。

ひとつめは、現在歴史は大きな転換点にあり、医療福祉生協の存在価値やめざすべき方向にも変化が必要だと考えているためです。協同組合原則や医療生協の健康観など、変える必要がないものも多くあります。一方で、超高齢社会の到来や格差社会の進行、人口減少など社会の急激な変化の中で私たちに期待される役割も変わってきていると感じています。私は医療福祉生協が「自分の健康に関心を持つ自覚的な人々」の運動ということだけでは、社会の期待に応えきれなくなると思います。医療崩壊や社会保障の後退がすすめば、例えば「医療福祉生協を国民の共有財産に育て、安心してくらせるまちをつくる」という役割が期待されるかもしれません。

2つめは、私たちが地域の中で役割を果たしていくためには、広く国民に医療福祉生協について語り、医療福祉生協を理解してもらうことが必要です。現在は、「医療福祉生協って何ですか?」と問われたときに、全国の組合員や職員が共通して語れる言葉や一致した目標が明確になっていません。これでは国民に広く受け入れられないと思います。いろいろな表現ができるのでしょうが、私は誰もが共通して話せる「短い言葉」が必要だと思います。立派な額に入っていて誰も覚えられないような長い言葉でなく、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」のようなわかりやすいものができればと思います。

 

この1年間、まず全国の組合員がひとつになって自分が大事にしている考え方や自分たちの存在価値を論議し、いくつかのキーワードとして確認しましょう。そして来年度はそれを実践で確かめながら、私たちのすすむべき道を「理念」というひとつの言葉にまとめ上げたいと思います。