「2010年度ネパール医療スタディツアー」報告

医療福祉生協「2010年度ネパール医療スタディツアー」報告
~医師・医系学生ら6名が途上国の医療の現状を学びました~

 日本医療福祉生活協同組合連合会(本部:新宿区百人町、髙橋泰行会長理事)は、2011年3月6日(日)~14日(月)の9日間の日程で、「2010年度ネパール医療スタディツアー」を、医師・医系学生4名と主催者の医療福祉生協連と日本生協連国際担当の2名、合計6名で実施しました。
 今回のツアーは、ネパールにおける医療の現状を協同組合が運営する病院や施設の実習などを通じて知ること、異文化交流・海外体験を通して、「いのち」(生命観、倫理観)に対する価値観の違いについて考えること、ネパールで協同組合の保健・医療活動にとりくんでいる人々との交流を通して、将来に活きる国際連帯のあり方を考えること、JICA(国際協力機構)などの現地組織の活動との触れ合いを通じて、「今ネパールで何が起きているか、私たちにどんなことができるのか」について一緒に考えていくことを目的に実施したものです。
 3月7日現地入りした一行は、首都カトマンズをベースに、現地の協同組合(フェクト・ネパール)が運営する病院や施設と医療現場の視察や医学生・スタッフとの交流、モデル病院の視察と実習、国立病院見学、国際協力機構(JICA)の現地スタッフとの交流、カトマンズ市内内観光とサンパデビ地区でのアウトリーチプログラム見学などを行い、3月14日に帰国しました。現地で3月11日の東日本大震災の発生を知り心配しましたが、予定通りツアーを実施し帰国しました。
 主催した医療福祉生協連の東久保常務は「今回の実習は参加者の要望を重視した内容で、参加者みなさんにとても満足していただけたと感じています。途中東日本大震災の情報もあり帰国便の手配など心配しましたが、全員無事に帰国できました」と話していました。参加者の東京理科大のOさんは「本当に凝縮され充実したいいツアーでした」と話し、早稲田大学のHさんは「施設の方たちが“一人でも多くの人により豊かな生活を送ってほしい”という思いを(持って取り組んでいると)強く感じ,見習うべき点がたくさんあると思いました」と感想を述べています。

 

カトマンズモデル病院付属看護学校

 

モデル病院のスタッフとディスカッション

<2011年ネパール医療スタディツアーの概要>
◇主催:医療福祉生協連
◇協力:全国大学生協連旅行センター・(株)日本エコプランニングサービス
◇実 施:2011年3月6日(日)~14日(月)
◇内 容:ネパールの医療生協・モデル病院、JICA、ネパールの医師・医学生との交流、バクタプル・パシュパティナート・ボダナートの観光
◇参加者:医師・医学生4名 スタッフ2名 合計6名
 スタッフ:東久保浩喜常務理事(医療福祉生協連)・櫻井麻紀子国際担当(日本生協連国際部)
◆訪問地:首都 カトマンズを中心とした地域
◆日程および主な訪問先:
3月6日(日) 日本を出発
3月 7日(月) 午前:フェクト・ネパール看護学校(ブリーフィング・施設見学)
  午後:フェクト・ネパールカトマンズモデル病院(看護学生と討論)
3月 8日(火) カトマンズモデル病院にて各自実習
3月 9日(水) カトマンズモデル病院にて各自実習
3月10日(木) カトマンズモデル病院にて各自実習、実習終了後ネパールの役員と懇談
3月11日(金) JICAネパール事務所でブリーフィングと交流、国立ビル病院見学
3月12日(土) カトマンズ観光(バクタプル・パシュパティナート・ボダナート)
3月13日(日) フェクト・ネパールのキルティプル病院見学、ジェンダーベーストバイオレンスセンター見学・アウトリーチプログラム見学(サンパデビ地区)
3月14日(月) 香港から成田空港と関西空港にそれぞれ帰国へ

病棟の患者さんに薬を配達

ヨーロッパからの研修生と交流

モデル病院のICUでの実習
 
 JICAスタッフが活動するビル病院を視察

<参加者レポートより一部を抜粋>
●「凝縮されたツアーでした」 東京理科大 Oさん
 グローバルな時代となり、多くの情報がインターネットで入手できる現在だが、やはり百聞は一見に如かずであった。(-中略-)ネパール人の素朴な温かさを色々なところに感じたと伝えたい。研修先の病院のスタッフの方は、親切に電子辞書を使って四苦八苦している私に教えてくれたし、多くの人がお茶を飲んでいったらと誘う。最初はかなり警戒したが、アロママッサージのお兄さんもお茶を飲みながら日本の話をしたし、お土産やのおじさんも私が日本人だとわかると日本の大地震のことを心配してくれた。カメラが珍しいのか、子どもたちはデジカメに向けてポーズをとり、撮った写真を見たがる。そして、現地ガイドのジャアンタさんの知り合いの結婚式に飛び入り参加しても、ダルバードの温かいもてなしを受けた。本当に凝縮され充実したツアーであり、このようないい旅になったのは参加者の皆さんや様々なサポートをしてくださったスタッフの皆さん、観光客だけでは足を運べないマーケットや結婚式にも連れて行ってくださった現地ガイドのジャアンタさん、研修先のコーディネートをしてくださったフェクト・ネパールやJICAの方々など多くの方のお陰である。本当に感謝いたします。
Oさんのツアー報告の全文(PDF 638 KB)

●「診察するだけでない診療態度に感動」  早稲田大学 Hさん
 このツアーを通して学んだことは他にも書ききれないほどありますが,どれも普段は体験しえないとても貴重な経験であったと思います。時間の経過があっという間で,現地での生活に慣れてやっと余裕が出てきた頃に最終日を迎えてしまったことが非常に心残りだったのですが,この8泊9日間で学んだことをもとに,基礎医学の領域に関わる者として自分にできることは何なのかをもう一度よく考えて将来に生かしていきたいです。短い間でしたが,同行して下さった生協のお二人や参加者の方々,お世話になった現地の方々に心から感謝しています。ありがとうございました。
Hさんのツアー報告の全文(PDF 122 KB)

●医療福祉生協の可能性を感じた 耳原総合病院医師 Sさん
 医療福祉生協というものがわかっておらず、組合員さんが出資金を出している病院と、なんとなくしか理解できていませんでした。PHECTネパールは、日本の医療福祉生協とは違って、実際に出資しているのは病院に勤務している人々で、利用者が出資しているわけではないそうです。しかし、自分たちが提供したい医療、自分たちが働きたい病院というものを、みんなの力でつくりあげていくという、医療福祉生協の可能性を感じることができました。日本で小児医療を数年してきましたが、今回のツアーを通して、国内だけでなく、海外で自分が貢献できることは何かを改めて考えることができました。たった9日間のネパール訪問でしたが、毎日が刺激的でした。今回の経験は、今後の自分の行動に影響していくでしょう。
Sさんのツアー報告の全文(PDF 136KB)

キルティプルの病院を視察

キルティプルの新病院建設

   
 

サンパデビ地区でのアウトリーチプログラムを視察

地元のガイドさんと市場を散策

薬局が並ぶ通りで、脈を診て、薬を処方

☆「2010年度ネパール医療スタディツアー」案内

<問い合わせ先>
医療福祉生協連 電話:03-4334-1580