「第7回comcom待合室川柳大会」優秀作品の発表

~退院を告げる主治医の優しい目:鶴田昌憙さん(鹿児島医療生協)~

医療福祉生協連(事務局:新宿区百人町、髙橋泰行会長理事)は、2010年8月1日から12月31日の期間に、「第7回ComCom待合室川柳大会(※)」の作品を募集しましたところ、期日までに、226人から798句の応募をいただきました。
 この中から医療福祉生協連「第7回(2010年度)comcom(※)待合室川柳」の入選作品14句を発表しました。撰者は、全日本川柳協会の奈倉楽甫常任幹事にお願いしました。選を終えた奈倉楽甫撰者は、「みなさん治るという目的があり、前向きに考えておられますから、とにかく明るく元気です。待合室川柳は明日への後押しですかも、この川柳欄の存在は大きいと思います。」と述べています。以下で優秀作品を紹介します。
※この『comcom川柳大会』は、全国の医療生協の組合員、患者、医療生協で働く医師・看護師 などの役職員を対象に医療福祉生協連発行の情報誌『月刊comcom』の普及キャンペーンの一環として、2004年から「待合室川柳大会」として実施しているものです
⇒『comcom』案内

【第7回ComCom待合室川柳大会受賞句の紹介と講評】
 ※ 受賞者の敬称略(加入生協または応募地)
□選を終えて:奈倉楽甫(全日本川柳協会常任幹事・名古屋番傘川柳会代表)
たくさんの句を前にして、少し緊張して選にかかりました。待合室川柳独特の空気が感じられ、興味が沸いてきました。待合室にいる人の大半は当然、病気に対して何か関わりがある訳で、そこで詠まれた句には勢いがあります。しかし、それは弱いものではなく、みなさん治るという目的があり、前向きに考えておられますから、とにかく明るく元気です。待合室川柳は明日への後押しですかも、この川柳欄の存在は大きいと思います。

 ■最優秀賞 1句 (商品券1万円分)
退院を 告げる主治医の 優しい目    鶴田 昌憙(鹿児島医療生協)
【講評】入院中は、決して楽ではなかった。誰もが入院に至るまでのことを反省して、不養生はなくても無関心だったことを悔やんでいる。そして今日、主治医から 「もう退院できますよ」と告げられ、今まで思い悩んだことが一度に吹き飛んだ。その時の主治医の優しかった目が、今もありありと思い浮かんだ。一緒に喜ぶ家族の顔まで見えてくる楽しい句である。

 ■優秀賞 3句 (商品券3千円分)
 財産は 自分で歩く 両の足        柳谷 益弘(静岡県駿東郡)
【講評】いくら金や物があっても、人間歩くためには足しかない。それも思いのまま出せる足である。健康な時はそんなことは当然で、全く気にしていなかったが、加齢とともにいつか骨も関節部も脆く弱くなってきている。とうとう覚えもないのに骨折していたりして、杖の間はまだよかったが、車椅子ともなるといよいよ自由に歩くことができない。歩けないことは余程つらいものと察しはつくが、その財産を守るためにやっておかねばならないことがあった。

涙のわけ 聞いてはくれぬ 介助ロボ   藤井 冨美子 (富山医療生協)
【講評】介護ロボが話題になっている。介護犬も教育が難しいようで、ましてロボットは動力がいるだけでも大変である。それをどんな場合に役立てるか、百以上の介護動作に対応ずるのは大変だろうと想像ができる。介護を受ける側としては動作を授けてくれるのはありがたいが、ベッドか椅子にじっとしている間にこそ相手になってくれる人(ロボット) が欲しいのである。感情があふれ涙が出た時、わかってくれるロボットにまで進化してくれるだろうか。

生かされて いる幸せに 手を合わせ    渡辺 正道(いわき市)
【講評】人間の勝手に際限はなさそうであるが、ある日病になって、それが生死の境までいったのに幸いにも治ったとしたら…。その人は他の人にはわからないくらい、生きていることに喜びを感じ、神か仏に感謝するだろうと思う。食べられて当然、生きていて当然の気風が私たちの周りにあるが、50~60年前は生き延びるだけでも大変な時代があったのも事実である。個々の人間の弱さを知って、無心に手を合わせる。その心掛けの大切さを、ふと考えさせてくれる。

 ■佳作 10句 (図書券千円分)
快方に向い 描き出す 未来地図        先﨑 伍郎(郡山医療生協)
七人を 育てた母の 乳房ふく          小林 尚子(神戸医療生協)
来年の 夢はふたりの 旅姿           中村 好子(みなと医療生協)
目が覚めて 今日は 何日何曜日        小松 蔦子(高知医療生協)
子の名前 忘れて 孫の名前呼び        楡井 寛(浜通り医療生協)
手術終え 神様になる 担当医          石躍 芳江(徳島健康生協)
物忘れ 納得される 年になり           堀川 厚士(広島医療生協)
肩書も 役に立たない 注射針          松永 智文(愛知県海部郡)
四人部屋 お世話同志が 友となる       吉兼 三枝(みなと医療生協)
あいことば 元気がいいよ いつまでも     田辺 はなか(富山市)

●「第7回ComCom待合室川柳大会)」の入選句は、「comcom4月号」で紹介しています。また今後、同誌では毎号で、応募全句を紹介していきますので、お楽しみに。
情報誌「comcom」については、ご加入の医療福祉生協、または下記の事務局にお問い合わせください。

<問い合わせ先>
医療福祉生協連 「comcom待合室川柳」係 電話:03-4334-1580