東日本大震災:被災地東北の医療福祉生協の状況

東日本大震災:被災地福島県の医療福祉生協の状況
~青森県・宮城県・福島県の7つの医療生協~

被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。長引く避難所暮らしや引き続く余震、原発事故の深刻化などで、逼迫した生活を送っている被災地の状況とその中で地域医療活動に取り組む青森県・宮城県・福島県の7つの医療福祉生協の様子を紹介します。

【被災地の医療福祉生協の状況:3月19~28日現在】(聞取り:医療福祉生協連)
(※本文の青字部分は主として被災者の情況と支援活動)

【青森県と宮城県の状況】

八戸医療生協(青森県八戸市)―人的物的(建物・設備)被害はなく、3月16日から組合員にお見舞い電話活動を職員全員で行った。
3月23日:職員3名が八戸市新湊地区、白銀町地区の被災された8軒の組合員宅のほか、組合員の近隣宅なども訪問。周辺は、まだヘドロ臭がたちこめ、風が吹くたびに白い石灰粉が舞い上がっていた。震災でガレキが道端に野積み状態。宮城、岩手の被害が甚大でそちらの方に意識がいきがちだったが、自分の地域(八戸市)も元の生活に戻るにはまだまだかかる。
3月26日:連日地域訪問を行っている。市川町での声より:「店は床下浸水でしたが、家と家族は大丈夫でした。わざわざ有難うございます」「家の裏まで水が上がってきましたが、自宅は大丈夫でした。」「津波で泥だらけだった保育園内を掃除し、22日より再開しました。体調を崩す職員はいないが、園児の中には熱を出す子もでています」などの声がありました。(3月23日、同生協発「地震で被災された方々へのお見舞い訪問に参加して」よりと「3月26日付地域訪問行動メモ」より抜粋)。

みやぎ県南医療生協(宮城県柴田郡柴田町)―事業所には損傷なし。駐車場は陥没(要修理)支部から水くみや炊き出しの支援をいただいたが、現在は水も復旧。柴田町と話し合い医療の継続を約束。ガソリンがなく休止していたデイサービスを3月23日から通常受け入れを開始。(3月23日、梅津専務・「デイサービスセンターあおぞら」の星施設長から聞取り)

松島医療生協(宮城郡松島町)3月24日:床上30センチまで津波にのまれた海岸診療所を訪問。道路も建物の1階の床も黒いヘドロが15センチくらい積もっている。毎日、少しずつ掃除をしても、汚れがつく。組合員さんも雑巾がけに精を出す。「総代会」は、状況が状況なので遅れて開催して構わないとの県庁より通達あり(3月24日、医療福祉生協連松島医療支援隊の山田職員より聞取り)。
3月25日:以下は、第二次支援隊で、山形庄内医療生協経由で宮城県の松島海岸診療所に支援物資を届けた富山医療生協の橋本氏の報告より。「松島海岸診療所につくと、一階は浸水の影響で使えず、二階で生活・作業をしていました。震災の3日後から診療を始めていて、診療所も震災の影響で常に振動している感じがする中で、生活しているとのことでした。最も印象的だったのは、職員の方が笑顔でむかえてくれたことです。震災の被害を感じさせない位に前向きに、復興作業に取り組み、残り少ないガソリンを使って訪問活動ましていることに驚愕しました」(3月25日付「東日本大震災富山民医連支援ニュース№9」より抜粋)
3月26日:松島は雪の朝を迎えました。真っ白です。被災地としては、寒いつらい1日になります。25日はアパートの掃除を、医学生のボランティアが行い、汚れた所内の清掃・倉庫の整理をしました。(現地で支援活動中の医療福祉生協連山田職員からのメールより)
3月28日:理事長・組合員・全日本民医連・医療福祉生協連で協議し、組合員による組合員訪問を3月29日から開始することになりました。3月31日、松島海岸診療所デイケアを一部再開。断水改善の方向。これが復旧するとライフラインは復旧。(28日付現地支援活動中の医療福祉生協連の山田職員からのメールより)

 

【福島県の状況と緊急のお願い】

福島県4生協の基幹事業所のライフラインは、浜通り医療生協(小名浜生協病院)の断水を除いて基本的に回復しています。小名浜生協病院の断水が解決するのは早くても、4月11日の予定。会員生協の皆様、ぜひ、それまで小名浜生協病院に飲料水をお送り下さい:

□【4生協が今直ちに欲しいのは放射線線量計】□
一定の物資が充足しつつある現状で4生協が一番希望しているのは放射線線量計です。医療福祉生協連としては現在2台を医療生協かながわからお借りしている状況ですが、連合会として活用しています。線量計は現在入手困難となっており、取り引き先からも入手することができませんでした。会員生協で線量計の予備があるところは是非医療福祉生協連までご一報ください。
⇒連絡先:医療福祉生協連 震災対策本部 電話:03-4334-1580)

■福島中央市民医療生協(福島市)3月24日:震災のため、サービスを停止していた通所サービスを今週中にほとんど再開する。「笹谷サポートセンターよりあい」:3月22日より再開(入浴無し)。「ほうらいデイサービスセンター」徐々に通所スタートし3月22日より再開。「とのやデイケア」3月23日より通常通り再開。「老人保健施設にじのまち」の通所:3月24日より再開。4月1日に新入職員の入所式、1日~4日新入職員研修を予定。4月1日新任医師(37歳)が「せのうえクリニック」に着任。福島中央市民生協は3月28日より通常通りの体制で事業活動を行うこととしました。
●ながおか医療生協と白根保健生協の常務理事ら2名が第2陣として、支援物資を持って到着。支援物資は、鮭、じゃがいも、たまねぎなど新鮮な食材のほか、尿とりパット、水。さらに、新潟医療生協と新潟県生協連の協力を得て立ち上げた医療福祉生協連の東日本大震災物資支援センターから、たくさんの物資が到着。風評被害で支援物資が届いていない相馬市(福島市の東)の避難所に、理事長と事務職員とが、物資支援と医療支援のため出発。(3月24日付「東日本大震災復興支援ニュースvol.11」より抜粋)。
●福島県災害対策本部と連携を図り、約千名が避難しているあづま総合運動公園(体育館)へ歯科支援に。歯科ポータブルユニットを持ち込んで、歯科支援を継続する。原子力発電事故を注視しながらも、3月28日(月)からほぼ通常診療に。不十分なガソリンを乗り合いなど工夫しながら事業所を運営している。

上の左の写真は避難所で職員が体操指導の様子。右は子どもと塗り絵中の職員(3月25日付「地震対策本部ニュースvol.12より)
●3月27日:理事長と診療所所長が、避難所になっている県立明成高校へ医療支援。事前に連絡をしておいたため、スムーズに診察。今後の同避難所への医療支援を理事長と所長が交代で行うことにした。
●ろっこう医療生協(兵庫県)より支援物資第2便が到着⇒うがい薬、マスク、湿布(冷・温)など。

福島医療生協(福島市)医師を含む3名がグループで避難所を訪問中。
3月21日:わたり病院の斎藤紀(おさむ)医師が、テレビユー福島に生出演し、原発事故に伴う放射線の身体への影響などについて話したところ、番組を見た方は「落ち着いて考えられるようになった」との感想が寄せられました。また、斎藤医師が福島市職員を対象におこなった原発事故に伴う放射線の身体への影響の講演要旨を見た市長から斎藤医師の話を聞く機会を設けてほしいとの依頼がありました。(福島医療生協「東日本大震災対策ニュース№6」より抜粋)
3月24日:浜通りからの避難者13人が受診。以前医療生協わたり病院小児科に勤務し、現在は開業の医師がご自身の診療所の休診の合間を縫って外来診療の支援に。この支援のおかげで、小児科の医師が避難所訪問に行けました。また、ボランティア希望の若い女性の方が、介護福祉士の勉強をしているが、休みなので手伝えることがあればと来所。そこで、現在休止中の震災保育所「元気の部屋」の再開を打診したところ、小学校で仕事をしていた経験もあり、家も病院のすぐ近くとのこと。場所も、病院となりの児童センターと交渉し利用できるようになり、まるでテレビドラマのような展開でした。(3月24日付「東日本大震災対策ニュース№9」より抜粋)
医療生協わたり病院では地元医師会に協力し、丹治院長と職員が避難所を訪問しています。また、3月22日から通常診療を開始します。それに伴い、職員が手薄になり、存続が危ぶまれた東高校避難所の炊き出しは、渡利・中央支部の組合員が中心となり、今月いっぱい継続することに。飯野支部も組合員を中心に西元副理事長や職員の手も借りて、飯野体育館に避難している200人を超える方へ味噌汁の提供も継続中。
生協いいの診療所:医師会の避難所訪問に、今日も医師・看護師が参加。よく眠れないという訴えが多く、様々なストレスも重なって血圧か高い人が多いとの報告(右の写真は、避難所を訪問する生協いいの診療所所長とスタッフ)。支援物資が欲しいとのFaxを頂いた組合員の方に、午前から午後にかけてお届け訪問。(3月24日、東日本大震災対策ニュース№9より抜粋)

■浜通り医療生協(いわき市小名浜)―小名浜生協病院では出勤が不可能な職員がいる中、職員が泊まり込み持てる力を最大限発揮しています。水が復旧せず、毎日に必要な水(数トン)を給水車と浄水場へ職員が汲みにいき、対応しています。水確保が当面の課題(4月11日復旧見込み)。3月20日よりガソリンの供給がスタート。通常の倍の量が供給されているとはいえ、まだまだ不足している。3月22日は通常と同数の外来患者が来院。独居の方や、病院へ来ることができない人には職員が訪問。(3月22日付「応援ありがとうニュース」より抜粋)
3月24日:高齢者住宅7床再開
3月25日:岡小名通所リハビリ再開(右の写真、家族送迎の出来る方のみ)
3月26日:認知症対応型通所リハビリ再開(家族送迎できる方のみ)
3月28日:クリニック外来再開予定(若干の制約あり) 
(3月27日付の同生協からのメールから抜粋)

郡山医療生協(郡山市)3月24日:支援物資の一部を、浜通りから避難された方を受け入れている小規模作業所へ提供。新潟の「医療福祉生協連東日本大震災物資支援センター」から第1便が到着。
●福島医療生協の医療生協わたり病院齋藤紀(おさむ)医師を迎えて、放射線の人体への影響、原子力発電所事故の推移とこれから注意するべきことなど学習会を開催。(3月24日付「対策本部ニュース№9」より抜粋)
●3月25日早朝:生協きたはま診療所のご厚意で震災で傷害を受けた目の状態を調べる細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)検査、視野検査を行うゴールドマン視野計が届きました。ありがとうございます。浜北医療生協、富山医療生協、尼崎医療生協、長野医療生協、医療福祉生協連等から届けられた支援物資が、被災したり、買い物に行けなかったりする職員の生活をサポート。郡山医師会から依頼を受け、郡山高校の避難所を支援することに。郡山高校に避難されている大熊町の方々への対応として、昨日に引き続き、受診のための送迎バスを運行。(3月25日付「対策本部ニュース№10」より抜粋)
桑野協立病院のホームページに、震災関係の取り組みやお知らせを掲載。
3月25日組合員の協力による臨時学童保育が好評。(右の写真)奮闘する職員を応援しようと、小泉理事夫妻・先崎理事・星野理事・菅原医師・大西医師が中心となり組合員センターで学童保育が開かれています。本日は11名の利用がありました。(「対策本部ニュース№11」より)。 
3月26日:職員全体集会(下の写真)開催し今後の対応方針を確認⇒(1)建物や設備の被害状況への対応(2)これまでの縮小診療から4月から日常診療体制への拡大準備(3)介護事業はガソリンの確保をしながら全面再開に向けて拡大(4)組合員送迎バスの運行(5)避難所への医療支援、組合員の訪問激励活動、総代会に向けた準備。(3月27日付「対策本部ニュース№12」より)

   

 

 

<問い合わせ先>
医療福祉生協連 震災対策本部 電話:03-4334-1580