原則を守る夢実現の力をつける~北野田医療生協(大阪府)北野田支部:comcom4月号

北野田のまち

地域訪問は自転車に乗って…

大阪の環状線、新今宮駅から南海高野線に乗り換えてしばらく行くと北野田の駅です。周囲にはかつて、梅林や田園が広がっていたといいます。しかし、1970年代の後半から、そののどかな風景も徐々に消え、代わりに住宅が立ち並ぶようになりました。変化の流れは急速で、都市計画も追いつかぬままに乱開発されたとのことです。整備が遅れた生活道路はかつての農道の面影を残して細く曲がりくねり、所によっては袋小路になったりしています。北野田のまちの住人は、その多くが転入してきた人たち。堺や大阪のまちで働く人々のベッドタウンという側面も持っているのです。

北野田支部

「支部の方の心づかいがうれしいね」青木安子さん(左)と仲良しの牧野トミエさん

込みいった住宅地。駅周辺に林立する大きなマンション。新旧の住民が入り混じり、新しい地域コミュニティの模索が続く…。そんなまちが北野田支部の舞台です。

北野田支部は2007年9月に誕生しました。医療生協設立時代からの流れをくむ旧北野田支部の分割をおこなった結果です。ですから、「古くて新しい支部」という表現がぴったりするかもしれません。現在11人の運営委員を擁する北野田支部は新しい旅立ちに際し、支部の基本方針を確認し合いました。それは、運営委員は年間最低でも1人は組合員をふやすこと。機関紙「くらしと健康」と支部ニュースは100%手配りすること。班づくりを追求すること。地域訪問を常態化し地域を知り組合員とつながること。そして、医療生協を強化するための4課題はその目標を達成することなどです。

年のはじめの恒例行事

声をかけてもらうだけで元気が出るね!

北野田支部の活動は1月の第2土曜日におこなう「まちかど健康チェック」から始まります。旧支部時代から通算すると、10年という歴史を持っています。北野田駅前の大型店舗の一角で毎月おこなってきました。支部長の新正(あたらし・ただし)さんがいいます。

「支部の運営委員は全員健康チェックすることができます。それが強みといえば強みですね。私たちの健康チェックでは、丁寧な結果返しを心がけています。まちかどの出会いやふれ合いを『人と人のつながり』に変えていくために必要なことですからね」

年の初めの健康チェックには、今年も1年、地域に入り、地域の人々とつながっていこうという決意が込められているのだといいます。

地域訪問は自転車で

入り組んだ細い道が多い北野田のまち。機関紙の配達や地域訪問は自転車が便利。知り尽くした地域の道をすいすいと走ります。地域を歩こう…。これは、新しく生まれ変わった当初からの確認事項。ですから、すでに4年を超えています。現在は高齢者世帯を中心に訪問しています。認知症が懸念される人、一人暮らしで不安を抱えている人、元気なうちは何かをやりたいときっかけを求めている人…、さまざまな実態が見えてきます。運営委員のみなさんがいいます。

「地域が見えなければ、支部としての活動が組み立てられないじゃないですか。地域訪問行動は支部活動の原点だと思いますよ」

青木さんありがとう

北野田支部のもうひとつのこだわり。それは機関紙と支部ニュースの全戸手配り。現在は39人の手配りさんによって100%達成しています。しかし、手配りの際に声をかけて話をするといった余裕はありません。どうしても、ポストに投函するだけというケースが多くなってしまいます。手配りさんがもう少し増え、配達部数を減らすことができれば、配達時に声をかける余裕が生まれる…。運営委員さんが抱えている課題のひとつです。ある日のことです。配達先の方に呼び止められました。声の主は青木安子さん、86歳。

「いつもご苦労様。私にも配達させてくれない? 家にばかりいると運動不足になるからね。それに、少しは世間の風にも当たりたいじゃない」

青木さんは支部ニュースに書かれた「手配りさん募集」の文字を見た時から、動ける間は動こうと決めていたのでした。その青木さんがいいます。
「お世話になるばかりじゃ、申し訳ないでしょ。いくつになってもできることがあったら、それをやらなきゃ」

青木さんは、10部の機関紙と支部ニュースを携えて近所を歩いています。立ち話をしたり、近所の子どもに声をかけたりしながら…。組合員もふやしました。青木さんの応援。それは北野田支部の元気の素になりました。地域を歩くことへのこだわりが与えてくれた素敵なプレゼント、といえるかもしれません。

地域に出会いの場をつくる

北野田支部はここ2年間、組合員ふやしや、増資などの支部課題を早々に達成しています。月1回開催される支部運営委員会のたびに、課題や方針を確認し合い、やるべきことをやっているからです。この支部は、班づくりにもこだわっています。「班」は組合員が地域で出会える大切な場だと考えているからです。運営委員のみなさんがいいます。
「私たちは、2つの班づくりを追求しています。ひとつは、近所のみなさんが集える班、もうひとつは趣味や興味でつながるサークル的な班です。やはり、組合員のみなさんが集える場というのは多彩なほうがいいと思うんです。それだけ選択肢も参加者もふえるわけだし…。問題は担当者というか、リーダーづくりですよね」

北野田支部のみなさんは、何でも自分たちで背負うという活動スタイルではなく、それぞれの分野で活躍できるリーダーをつくっていくこと。それが出会いの場づくりにつながると考えているのです。これから支部としてどんな仕掛けを編み出していくのか、楽しみです。

北野田支部の挑戦

支部の原則的な活動は、大腸がん検診のとりくみなどでも着々と成果を出しています。北野田医療生協すべての支部の指標だという評価も得ています。運営委員のみなさんに、今考えていることをお聞きしました。女性の運営委員さんたちから即座に答えが返ってきました。それは地域でできる子育て支援策。これを練り上げて、新しい住民、若い世代の親たちとつながりをつくっていきたいということでした。支部長の新さんがいいました。
「何をやるにしても支部の拠点が必要。できるだけ早い時期に支部のたまり場をつくりたい。今年は、それを柱にしたいがどうだろう?」

もちろん、反対者はありませんでした。

地域を歩き、地域とつながってきた北野田支部です。たまり場の夢が実現したら、もうひとつ大きな飛躍が待っているかもしれません。

運営委員のみなさん

〈北野田医療生協〉
●設立年月日 1972年5月31日
●組合員数 1万3,620人
●出資金 1億8,021万4,000円
●支部・班数 13支部 561班
●事業所 医科診療所2 介護関連事業6
〈北野田支部〉
●設立年月日 2007年9月
●組合員数 829人
●班数 37人
●運営委員数 11人

※2010年12月1日現在