1年生支部奮戦記~鳥取医療生協 修立支部:comcom2月号

一組のご夫婦

「班をつくる。運営委員をつくる。協力者をつくる。もっと地域の力を集めたい」修立支部がとりくんだ初めての訪問行動。一番右は支部長の平山正美さん

2009年6月のことです。鳥取市吉方町に一組のご夫婦が大阪から転入してきました。平山正美・和子ご夫妻です。定年退職後の人生を、息子とその家族がくらす鳥取市で送ることにしたのです。とはいえ、息子とその家族以外に友人もいなければ知人もいません。ご夫妻は、話し合いました。

「地域に働きかけ、友人・知人を積極的につくらなければ孤独な老後を迎えることになる。何が待っているか分からないが、できることがあったら臆せずやってみよう」
「そうですね。そうすればきっと楽しいおつきあいが生まれるでしょう」
翌7月、体調を崩していた平山正美さんは鳥取生協病院で受診し、組合員になりました。

日進・修立支部の悩み

その頃、鳥取生協病院がある地域で活動をしてきた日進・修立支部はひとつの悩みと向き合っていました。「日進」と「修立」は小学校区につけられた地域名。つまり、2つの小学校区がこの支部のエリアということになります。長い活動歴を持つこの支部では支部役員の高齢化と人手不足がなかなか克服できず、どうしても病院に近い日進地区中心の活動になりがちでした。かといって、修立地区を放置するわけにもいきません。支部運営委員会は、この問題を解決するために支部分割の方向を固めました。日進支部と修立支部に分け、それぞれが地域に責任を持つという体制をつくろうと考えたのです。しかし、支部長をはじめとする支部役員がなかなか見つかりませんでした。

運命の糸

「お元気ですか」の声かけに話もはずみます

平山ご夫妻が転入した先は、その修立小学校区だったのです。地域の人とつながりたいという思いで組合員になった平山正美さんは、さっそく地域の活動状況を尋ねました。そこで分かったこと。それは活動が停滞し、機関紙の配付もままならない修立地区の厳しい状況。平山さんは即座に決意しました。

「鳥取生協しんぶん50部。私が手配りします」
転入してきて間もない平山さんの決意。担当理事や支部役員のみなさんが驚きとともに注目したことはいうまでもありません。じつは平山さん、大阪の病院の職員として働き、地域活動にも深くかかわってきたとのこと。まさに運命の糸です。この平山さんの出現で、支部分割は急速に具体化しました。

めざせ、支部づくり

心を込めてつくられた訪問グッズ。ハートをあしらった封筒の中には、健康とくらしを気づかうお手紙が…

平山さんの機関紙配達は、単なるお手伝いではなく、新支部設立をめざしたとりくみへと変化していきます。まずは、修立地区で機関紙配付を担当していた人たちとのつながりを持ちました。そこで話し合いをすすめ、地区の実態調査を開始したのです。転入してきたばかりの平山さんには、地域のことがほとんどわかりません。できるだけ早く全体像を把握しなければ…、という思いが平山さんを突き動かしました。全組合員の住居を地図に記入し、地域を歩いて調べたのです。その結果、機関紙が届いていない組合員が大勢いること、組合員の高齢化がすすんでいること、長いあいだ増資などの働きかけを受けていない組合員が多いことなどが浮かび上がってきました。そこで固めた第一の着手。それは、地域の全組合員に機関紙を手配りすること。そのために、できるだけ多くの手配り協力者を探し出すこと。平山さんはいいます。
「届ける。つながる。集う。まずはこの流れをつくらなければと思いましたね」

動けば変わる

平山さんは、組織担当者と猛暑の中、組合員宅を訪問し、機関紙の手配りを引き受けてくれるようお願いして歩きました。その一方で、班づくりもすすめました。副支部長の石井安子さんはいいます。

「修立地区は日進支部にくっつくような形でこれまできていましたからね。いざ、『自立』となると、その足腰の弱いこと。いやというほど痛感させられました。それを克服するには人探し、人づくりしか方法がない。だから、歩く、訪ねる、話す、頼む…。なかなか、きつかったです」

平山さんが続けます。
「機関紙を100%手配りする。各町、各丁目ごとに班をつくる。これを目標に動いたのですが、なかなか…。しかし、動けば変わる。これだけは実感できました」

見切り発車

拡大運営委員会。活動報告の中、手配り率の飛躍的な伸びに思わず歓声が…

2010年3月31日、修立支部は設立を果たしました。これまでともに歩んできた日進支部からも熱いエールをもらいました。しかし、設立時点での機関紙配付率は60%。班は3班のみ。当初掲げた目標には及ばないままの設立でした。支部長になった平山さんはいいます。
「まずは支部を設立し、地域に対する責任をはっきりさせ目標を追求していく、という道を選んだわけです。そうしないと、いつまでたっても形にならない。そんな気がしたものですから…。まあ、見切り発車ですわ」

確かに見切り発車かもしれません。しかし、当初の停滞状況から見れば、大きな変化が起きています。機関紙を手配りしてくれる組合員が20人になり、これまで機関紙が届かなかった組合員に機関紙が届くようになったのです。そして、3班とはいえ、班会は毎月開催され、地域の人々とともに健康チェックや健康づくり、さらには学習会などもおこなわれるようになったのです。

そして半年

地元の支部活動を喜ぶ組合員さんの笑顔

支部を設立してから半年が経過した10年9月。機関紙の手配りを担う組合員は27人になり、配付率は96%を超えました。修立地区のほとんどすべての組合員に機関紙と支部ニュースが届くようになったのです。班会も定期的に開催されています。支部ニュースも、隔月できちんと発行されています。4月には、城下町と宿場町の面影を残す若桜町を散策するレクリエーションをおこないました。9月には、30人の参加を得て組合員のつどいも開催しました。12月には、初めての訪問行動も開始しました。地域を歩く。地域を知る。支部の役割を果たす。修立支部は生まれたてですが、しっかりとした足取りで歩き始めています。

さて、これから

支部の企画でおこなわれた腰痛の学習会と予防対策講座

当面する課題、これからの夢を、運営委員のみなさんにお尋ねしました。

支部長の平山さんがいいます。
「運営委員会をもっと充実させたい。班をたくさんつくり、運営委員会と連動するような体制にしたい。それと家に閉じ込もっている高齢者のみなさんが出かけたくなるような企画を考えたいですね」

副支部長の石井安子さんがいいます。
「1日も早くたまり場を持ちたいですね。やはり、組合員さんが集える場が地域の中にほしいです」

運命の出会いがもたらした新しい支部の誕生。これからの展開が楽しみです。

「支部も私も1年生これからしっかり学習していかないとね」運営委員の吉村哲子さん 「組合員が気軽に集えるたまり場づくりをすすめます」副支部長の石井安子さん

「家に閉じ込もっている高齢者が外に出たくなるそんな地域づくりをすすめたいですね」運営委員の大田信雄さん 「これからも班づくりにこだわりたいですね」運営委員の徳沢佳子さん

〈鳥取医療生協〉

●設立年月日 1951年8月21日
●組合員数 3万9,080人
●出資金 11億9,966万1,000円
●支部・班数 32支部 307班
●事業所 病院2 医科診療所3 歯科診療所1 介護関連11
〈修立支部〉
●設立年月日 2010年3月31日
●組合員数 511人
●班数 3班
●支部運営委員 5人
※2010年11月30日現在