医療福祉生協連主催「2010年度医療福祉生協専務会議」報告

医療福祉生協連主催「2010年度医療福祉生協専務会議」報告
~内橋克人氏が講演 81生協から参加~

医療福祉生協連(新宿区百人町、髙橋泰行会長理事)主催の「2010年度医療福祉生協専務会議」が、2010年12月14日、15日の両日、新横浜プリンスホテル(横浜市)において、81医療福祉生協の参加で開催されました。

会議の目的は(1)診療報酬と介護報酬の改定に関する医療福祉政策の動向を学び今後の事業戦略を考える、(2)現在の社会情勢の中で医療福祉生協の果たすべき役割を考える、(3)医療福祉生協間で情報交換を行い、事業戦略構築のヒントを得ることです。
瀬上清貴氏(独立行政法人福祉医療機構理事)、内橋克人氏(経済評論家)による講演、医療福祉生協連本部からの基調報告と参加者によるグループディスカッション、夕食交流会、福島中央市民医療生協からの取り組み報告、医療福祉生協連本部からの基調報告・事業計画などが行われました。

第1日目の会場の様子

講演:瀬上清貴・医療福祉機構理事

第2日目会場の様子 

講演:内橋克人氏

<2010年度医療福祉生協専務会議の概要>
■基調報告:「2011年度予算づくり方針」
齊藤民紀常任理事・総務経営委員長
(1)2010年度上半期決算の結果と特徴⇒安定的な剰余を確保でき、2年連続黒字決算。
(2) 2011年度予算づくりの視点(参加型予算編成を実践する)
⇒3%の増収を目標にし、強固な経営基盤の確立。
⇒諸制度・法制の改定・改正に的確に対応する。
⇒選択され続ける生協・事業所づくりをすすめる

基調報告: 齊藤常任理事

■講演「医療福祉政策の今後を展望し、社会から期待される事業展開を考える」(要旨)
独立行政法人福祉医療機構 瀬上清貴理事
(1)病院経営の問題点の発見。
(2)医療経営の信頼性とは(理念を活かした医療経営・TQMにおけるアセスメントの重要性・「人財」を育てる・経営状態の把握・「やれること」と「求められること」のギャップを認識できるか・経営方略の樹立)
(3)医療政策の方向性を考える(医療提供体制改革の方向性・「社会保障国民会議報告書)とは・民主党の医療介護関係の政策とは)

■会員生協とりくみ報告:「摂食・嚥下・リハに特化した歯科口腔外科の開設について」
福島中央市民医療生協 福地庸之 専務理事
(1)2010年8月より上松川診療所でスタート。
(2) 新規事業とした理由
⇒摂食・嚥下障害・誤嚥性肺炎患者の存在・長期的ニーズの存在・導入コストとリスクが低い・参入障壁が高いなど。
(3)医科・歯科連携のビジョン(高齢者QOL改善・市内の歯科連携のモデル)
(4)医療生協運動の3つの課題
・摂食・嚥下の知識の普及・地域の見守り力向上・高齢者QOL向上支援
☆ 福島中央市民医療生協HPの歯科口腔外科 開設

報告:福地福島中央市民生協生協専務理事

 

■報告「2011年度医療福祉生協連事業計画」
藤谷惠三専務理事
(1) 医療福祉生協連の2つの仕事(存在感を高める・会員生協を支える事業開始)
(2)2011年は「方針政策づくり・いのちを支える事業」の準備の年
(3)理念を創る
⇒医療福祉の協同に関する宣言・健康づくり・まちづくり・核廃絶・協同のしくみ
(4)全国方針⇒いのちの絆(ネットワークをつくる・医(福)・食・住の事業)
(5) 医療福祉生協連の事業
●事業活動(共同購入・協同事業)
●制作活動(高齢社会・医療供給・核廃絶)
●会員支援(人材育成・モデル事業)  

報告:藤谷惠三専務理事

■報告「医療福祉生協連の会員支援サイトについて」
佐藤 潔事業部長                           
・IDとパスワードでセキュリティを高めたクローズドなサイトで2011年1月開始予定。
(1)会員生協との情報の共有と経験蓄積
(2)経営に利する商品とサービスの提供
(3)購入・セミナー・交流会などの申込みなどで事務作業の軽減化

■講演:「『協同組合の新たな役割』-共生社会の核として-」
経済評論家 内橋 克人氏
・社会の様々な矛盾の本質を見抜くことが必要⇒「間違った経済学は誤った政策を生む」
・介護の社会化をめざしてとして始まったはずの介護保険は介護を市場化(企業化)させたことにより、医療・介護事業への信頼を失わせた。
・医療・福祉・介護・農業は市場化・企業化になじまない分野である。
・目指すべき社会は「FEC自給圏」社会。(F=Food、E=Energy、C=Careの頭文字)。食糧・エネルギー・介護を含めた人間関係の自給圏をつく、これらを「新基幹産業」にまで発展させ、地域社会を活性化し持続可能な社会にすることで、人々を安心で幸福にする。(詳しくは氏の著書「もうひとつの日本は可能か」青春文庫)
・協同組合セクターは、市場原理主義や競争セクターが実現できない「共生社会」を実現するための重要な担い手である。

参加者からの質問