2010年度 認知症サポーター活動交流集会(東会場)報告

~仲間増やしが最大のセーフティネット構築と確認~

日本生協連医療部会(新宿区百人町、高橋泰行運営委員長)は、2010年9月17日、TOC有明イースト1(江東区有明)において、「2010年度 医療生協 認知症サポーター活動交流集会」を開催しました。交流会には、東日本の医療生協を中心に、22生協から、認知症サポーター※、キャラバンメイト※、組織部員、介護従事者など約60人(組合員34人)が参加しました。今回の交流会は、「高齢化の進行と認知症に対する国のとりくみ」を学習し、「私たちのとりくみ」を確認し、「医療・福祉生協に求められていること」の3つを明らかに、多くの生協共通の悩み「認知症サポーターは増えたものの活動が中々進んでいないのでは‥‥」との課題を一歩でも進めよう開催されたものです(西会場は9月24日)。交流会は、医療部会からの報告の後、4つの生協から実践報告、劇団あら笑座(あらえざ)による寸劇の実演、参加者がグループワークで考えたスト―リーを実演、「明日から何をするか」を発表するという内容でした。

※(2010年3月現在)95医療生協:サポータ数:約2.万2千人・キャラバンメイト数:約470人

▲会場の様子

▲基調報告:高藤美和子会員支援部長

<交流会・東会場の概要>

◇基調報告:「認知症になっても安心してくらしつづけられるまちづくり
~医療・福祉生協の認知症サポーターの役割~」
報告者:日本医療福祉生協連会員支援部部長高藤美和子

<今日みんなで考えたいこと>

1.高齢化の進行と認知症に対する国のとりくみ
○超高齢化社会に向けた国の政策「認知症を知り地域をつくる10ヵ年構想」
厚生労働省HPの「認知症を知り地域をつくる10カ年構想」
2.私たちのとりくみ
○健康づくり、まちづくり
3.医療福祉生協に求められていること
○生協を活かす…「生協ならどうする」
基調報告のプレゼン資料(PDF 385 KB) ※当日使用したPPTより作成

 

◇寸劇:認知症になっても安心してくらしつづけられるまちづくり」―劇団あら笑座

(1)あら笑座の紹介(認知症サポーター集団による介護の寸劇活動):秋田武 事務局長
(2)「母親の介護体験談」報告:認知症を考える家族の会”銀の杖” 小杉明子さん
・一緒に考える、笑顔で接する、歌う、体を動かす、健康の維持が最大の認知症の進行を遅れさせる対策。
(3)認知症テーマソング「誰かといるだけで」の歌唱指導と合唱
(4)寸劇「入浴篇」「食事篇」「物忘れ篇」「散歩篇」「銀行篇」「物盗られ篇」の実演
・その気になってもらう、できることをやってもらう、否定しないでメモを渡し安心させる、自分の物忘れに気がついてもらう、ご近所から町ぐるみの取組に、など寸劇を通して認知症への理解と心構えに対する理解を深めました。

▲あら笑座スタッフによる歌唱指導

▲「母の介護談」:小杉さん

寸劇:物忘れ篇

寸劇:入浴篇

(5)各グループで討議の上、代表2人に「食事篇」か「入浴篇」の寸劇を実演名(迷)優ぶりを発揮した名演技の続出に会場が大いに沸きました。観るだけでなく、参加者がストーリーを考え、演じることでサポートのポイントやコツがつかめました。

▼参加者たちによる寸劇の実演▼

 

 

 

▲参加者による寸劇の実演

▲スタッフから実技指導

▲あら笑座の秋田事務局長

◇4つの医療生協から「私たちのとりくみ」を報告

□東京ふれあい医療生協 「全職員を認知症サポーターに」 本部 天沼健自さん
・2006年梶原診療所で「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」講演会に市民・組合員など100名以上が参加したことがきっかけで、2007年に同診療所の「全職種の医師・看護師・職員全員がサポーターになろう」との取組みを開始。支部でも養成講座を始めました。
・課題:「サポータとしてどうしたらよいか?」に応えられていない。

□富山医療生協 「認知症サポーター養成の取組と課題」まちづくり委員・北恵子さん
・まちづくり委員会のくらしの部会で「認知症に優しいまちづくり」を理事会に提案。
・各事業所・支部で養成講座開催⇒990人を養成。ステップアップ講座も開催(100人受講)⇒有償ボランティア”たすけっとクラブ”への登録(120名)。
・課題:ライフデザインづくりが必要。講座未開催支部への支援。地域での対話活動に活かせていない、行政と提携して地域を支援するという視点と提案に欠けていた⇒まちづくり活動が前進しない。


▲東京ふれあい生協:天沼さん

▲富山医療生協:北さん

□福島中央市民医療生協 地域保健部 紺野 彩子さん
“数”から”質”へ ~サポーターが地域で活躍するために~”自治体との連携”
・市との連携が特徴(市内のキャラバンメイトと36か所の地域包括センターのコーディネート役)。市内の認知症サポーター約9.000名(医療生協は約800名)
・生協のキャラバンメイト17名が分担しサポーター養成講座を開催(理事会・支部・班)
・活躍の場づくり(男の料理教室・茶話会・寄り合い茶屋・将棋クラブなど)が進んだ。
・課題:若い世代に認知症への理解を深めること(親の介護が現実のものになる前に)。

□群馬中央医療生協「認知症になっても安心して暮らし続けるまちづくりを目指して」坂本勝子理事
~地域密着型介護事業開設の地元支部として今後取り組みたいこと~
・2008年度養成講座を各地で開催(前橋市は市の出前講座)。
・2010年度開設予定⇒小規模多機能介護施設(グループホーム併設(市より選定))
開設に備え9月13日に「ふれあい訪問」を実施(対象:20軒、組合員・職員7名)、町並みから見えない地域の実態(高齢者独居世帯の多さ・高齢者の持つ不安など)がみえた。
・課題:組合員同士のつながりをどうつくるか、サポーターに呼びかけ認知症への理解を深める取組みをどうすすめるか。


▲福島中央市民医療生協:紺野さん

▲群馬中央医療生協:坂本さん

◇グループ討議と発表:9グループの結果の発表(抜粋)

1グループ:サポーターが地域で「どうしていったらいいか」をまず話し合うことが必要。
2グループ:サポーター養成後の青写真づくり、運営委員とサポーターが独居老人を訪問することから始める。
3グループ:元気なうちから「老後をどうしていくか」を気軽に話せる場(たまり場)づくりをする。
4グループ:「食事会(助け合いの会)」「地域の安心マップづくり(行政と提携)」「手配りさんのサポーター化(見守り隊)」「全職員がサポータになり声掛けをする」などにとりくむ。。
5グループ:地域のサークルに入っている組合員を軸に組合員・サポーターになってもらい、医療生協単独ではなく地域の団体と一緒に「行政への要求づくり(特養づくりなど)」を行う。
6グループ:手配りさんに働きかけ、サロンづくりなど出来る人を増やすことに取り組みたい。
7グループ:本日の寸劇の内容をすぐに取り入れて実施したい。
8グループ:サポータ―を役割分担(お話し相手・ボランティア・見守り)し分担毎の活躍の場づくり。
9グループ:キャラバンメイト中心にサポーター養成を続け、ステップアップ講座が必要となる条件づくりをすすめる、地域で認知症だと打ち明けられる関係や環境づくりをめざす。

▼各グループの発表の様子▼

◇まとめ:報告者:医療福祉生協連会員支援部 高藤美和子部長

○今年の生協強化月間のテーマ「三つのあい(出会い、ふれあい、支え合あい)でとことん仲間増やし」こそ、「ひとりぼっちにしない、寝たきりにしない」など、認知症の進行を遅らせ、認知症になっても安心してくらし続けられるまちづくりに通じることです。組合員を増やす、仲間をふやすことが最大のセーフテイネットづくりであると確信を持ちましょう。
○既にサポーターになっている人や手配りさんに一声かけましょう。少しお世話をしてもらう、ボランティアを手伝ってもらう、こういう人を自分の周りに増やしていくことが大切です。また、今日ここで見たり聞いたりしたことで「良いと思ったこと」をすぐに実行しましょう。
○この生協強化月間は、医療福祉生協連として、皆さんと取り組む最初の強化月間です。「認知症になっても安心して暮らし続けられるまちづくり」にとりくみましょう。そして、自分の周りから一人でも多く仲間を増やしましょう。


▲まとめ:高藤会員支援部長

▲月間ポスター
▼グループワークの様子▼
   

<問い合わせ先>
日本医療福祉生協連 会員支援部 電話:03-4334-1580