虹のブックレットNo90  『沢内・生命行政に学ぶ』

【虹のブックレットNo90  沢内・生命行政に学ぶ】2009年10月に完成した映画『劇映画「いのちの山河~日本の青空Ⅱ」』(大澤豊監督・日本の青空[2]制作委員会)は、各地で上映運動が取り組まれました。この映画は、豪雪と無医村で名高い東北の寒村沢内村を、日本ではじめて老人医療費の無料化と乳児死亡ゼロを達成した深澤晟雄村長の生涯と生命行政の実現を取り上げたものです。

本書は、この沢内村の真髄を、深澤村長個人ではなく、沢内村の行政にかかわる多くの人たちと村民、県行政など地方自治体との連携の中で達成できた、当時としては極めて先駆的な活動であり、多くの教訓が含まれているという視点からから書き著わしたものです。

「沢内村の生協行政」や「深澤晟雄村長」に関心のある方々をはじめ、「地域医療と地方自治」や「憲法25条と社会保障・社会福祉」に関心のある方々に、ぜひお読みいただきたい一冊です。

本書の「はじめ」に著者は、以下のように述べています。

「私が沢内村に注目している最大の理由は、憲法25条に自覚的に依拠して行政を変えていった、もっと正確にいうと憲法と地方自治法に依拠して行政を行ったということです。 そして、その行政を一言で示すと生命行政、いのちを大事にする行政ということです。しかし、そういう側面だけを強く打ち出すと、スーパーマン的な深沢さんの偉人伝になる恐れもあります。映画や小説はどこかに焦点を絞り、切り口を定めてつくられるのでそれもいいですが、今回は全体的な流れから沢内村の生命行政に学ぶことを考えていきます。」(本書の5~6頁「はじめに」より抜粋)

【目次】

はじめに

  1. 生命行政の前史としての医療貧困
  2. 生命行政の開始―深沢晟雄の登場
  3. 生命行政の成果―老人医療無料化と乳児死亡ゼロ
  4. 沢内・生命行政を可能にした要因  
    (1)積極的な産業政策 (2)生命行政を可能にした4つの要因
  5. 村長を支える議員・職員と村民
  6. 村民本位の行政改革
  7. 地域まるごと・生活まるごと健康を
  8. 保健委員と保健婦たちの奮闘
  9. 豊かな成果
  10. 先人の苦労を踏まえた成果