協同の力で『絆』をつくる ―財界の福祉戦略を超えて―

【協同の力で『絆』をつくる 財界の福祉戦略を超えて】本書では、医療生協運動が、2010年度の重点課題としている「生協をいのちとくらしに活かす大運動」の「地域では3つのあい(出会い、ふれあい、支え合い)でいのちとくらしのネットワークを拡げ」るが、いかなる社会的意味をもつことなのかを、明らかにすることをテーマとして著されたものです。

医療生協人だけでなく、今社会が必要とする「あらたなネットワークとは?」「無縁社会を克服するには?」「人と人のあらたなつながりが出来ていないのは?」などの問題に関心を持つ方、社会活動に関わる方々にお読みいただきたい一冊です。

本書の購入については、ご加入の医療福祉生協かお近くの医療福祉生協にお問い合わせください。

【内容の紹介 (本文より抜粋)】

はじめに

1.無縁社会と医療生協 医療福祉生協連の創設をめぐる議論の中で、「あらたなネットワーク」「無縁社会*を克服する」「人と人のあらたなつながりが出来ていない」問題にどう取り組むかの課題があります。
そもそも上記の問題意識が反映しているのは、誰にも看取られずに亡くなる人が、自殺者数(この10年来、ほぼ毎年3万2千人前後)よりも多いというNHKの報道に象徴される状況に対して医療生協はどう取り組んだらよいのか、という内容を含んでいます。 家族・親類といった血縁から外れ、近隣や子どもを通じた付き合い(地縁)からも外れ、会社や職場を通じたつながり(職縁)も無く、社会保障関連の社会的諸制度からも排除されている状態は、心理的なニュアンスを持つ孤独とも異なる「社会的孤立」状態です。
私たちが持っている問題意識は、「社会的孤立」状態になり、行き倒れ同様の最後を迎える人が、21世紀の日本において増えているという現実に、医療生協運動は実践的にどう対応するのか、というものです。医療生協運動が2010年度の重点課題としている「生協をいのちとくらしに活かす大運動」は、「地域では3つのあい(出会い、ふれあい、支え合い)でいのちとくらしのネットワークを拡げ」るものです。この運動・課題がいかなる社会的意味をもつことなのかを、明らかにするのが本書のテーマです。(―後略―)

 

主要目次:

  1. 無縁社会と医療生協
  2. 各種の絆の崩壊

第1章 地域生活と社会保障運動の変遷

  1. 1973年以降に「ものごころ」が付いた人びとは人口の5割弱に(―中略―)
  2. 高齢者医療の思想にみる行革・構造改革li>

第2章 高度経済成長の要因

  1. 経済成長の要因
  2. 高度成長をもたらした諸要因(―中略―)

第3章 都市的生活様式がもたらす協同・共同の重要性(―中略―)

  1. 都市的生活様式の確立・拡大
  2. 都市的生活様式は何をもたらしたか

第4章 生活の4つの原理と新たな公共性

  1. 都市的生活様式と公共性
  2. 共同体と医療(―中略―)

第5章 生活の4つの原理と新たな公共性

  1. 「日本型福祉社会論の構想」
  2. 財界の福祉戦略『これからの福祉政策を考える』
  3. 「新時代の『日本的経営』」と企業の社会保障からの撤退

第6章 医療生協の人と人のつながり―人間の「交通」を手がかりに―

第7章 都市的生活様式再建のために

  1. 何を支援しどう補えばよいのか(―中略―)
  2. 社会保障の内容を具体化する
  3. 「新時代の『日本的経営』」と企業の社会保障からの撤退