WHO「高齢者にやさしいまちチェック」活動報告の概要

―WHO「アクティブ・エイジング」と高齢者にやさしい都市ガイド」―

日本生協連医療部会(新宿区百人町、高橋泰行運営委員長)は、WHO(世界保健機関)が提起している「高齢者にやさしい都市」づくりのための「都市チェック」活動を、2009年8月~ 09年11月に、日本の10都市の医療生協において先行実施し、この結果を医療部会常任運営委員会として、集約・分析し、7月6日に報告をまとめましたので発表します。

医療部会は、2007年に「WHO『アクティブ・エイジング』 と高齢者にやさしい都市ガイド」を翻訳・公刊しましたが、今回の「高齢者にやさしいまちチェック」は、このガイドの「高齢者にやさしい都市に不可欠なチェックリスト」(8分野・84 項目)にもとづき、日本で実施したものです (以下「WHOチェックリストむと略す) 。WHOチェックリストには、日本の実情にフィットしない項目もありますが、今回はほぼそのまま踏襲し実施しました。医療部会では、今後の本格実施の先行実施と位置付け、項目の検証もかねて行いました。その結果、高齢者の生活状態による評価の違いなど、いくつかの特徴が認められましたので、「今後の課題」とし、本格的な調査の実施に活かします。

<WHO「高齢者にやさしいまちチェック」活動報告の概要版(「まとめより抜粋」)>

「高齢者にやさしいまちチェック」活動報告まとめ(全文)(PDF 299KB)

「WHOチェックリスト」活動

実施期間と集計:2009年8月~09年11月 2010年1~2月集計
実施医療生協(都市)名称:10都市10医療生協
・青森保健生協(青森県青森市)・新潟医療生協(新潟県新潟市)・東京ほくと医療生協(東京都北区、荒川区)・富山医療生協(富山県富山市)・みなと医療生協(愛知県名古屋市)・医療生協かわち野(大阪府東大阪市)・尼崎医療生協(兵庫県尼崎市)・姫路医療生協(兵庫県姫路市)・鳥取医療生協(鳥取県鳥取市)・宮崎医療生協(宮崎県宮崎市)
参加者(回答者)数:3グループ353人
対象者プロフィール(人):元気高齢者131、要支援高齢者97、支援者グループ125 計353
WHO高齢者にやさしい都市チェックリストの分野(8分野84項目)
生協別の参加者(回答者)数(単位:人)
結果と評価:
各項目付与点数は「特に良い=4点」「良い=3点」「悪い=2点」「特に悪い=1点」の4点法

  1. 課題の検討を行う上で必要な数を確保できました。
  2. 分野別の平均評価点について
    • 全体評価:元気高齢者2.4点、要支援高齢者2.3点、支援者2.4点で、ほぼ「普通」。
    • 分野ごとの平均点:もっとも高かったのは「D 社会参加」でした。
    • 状態別評価:要支援高齢者の評価点が「C住宅」を除き、やや低く、とくに「A屋外・建物」「D 社会参加」「G コミュニケーション・情報」が低くなっています。これは、要支援高齢者がおかれている厳しい現状を反映していると思われます。
項目別平均点評価について:
全84 項目について(「良い= 3.0 点以上」、「悪い= 1.9 点以下」)
※全体で「元気高齢者」17 地点、要支援高齢者16 地点、支援者グループ18 地点対象。

  • [A屋外空間と建物]―「A-4 車いすが通れる歩道」「A-7 歩道と自転車の分離」「A-10 高齢者専用の受付」で悪い評価が多い。
  • [B交通機関]―全体的には高い評価があるが、「B-9 ボランティアの輸送」に関しては評価が低い。
  • [C住宅事情]―「C-7 虚弱高齢者向けの住宅」で低い評価。
  • [D社会参加]―全体的に評価が高いが、「D-8 孤立高齢者に対するボランティア活動」でやや低い評価。
  • [E尊敬と包摂]――「E-1 要望の聞き取り」「E-2 公共・民間のサービス内容」「E-7 学校活動への高齢者参加」「E-8 高齢者への地域社会の評価」で低い評価がある。
  • [F市民参加と雇用]――すべての項目で低い評価となっており、とくに「高齢者の雇用」(F-2 ~ F-7)に対する評価が低い。
  • [Gコミュニケーションと情報]――ほとんどの項目でやや低い評価。特に「G-5 孤立者への情報」の評価が低い。
  • [H地域社会の支援と保健サービス]――医療従事者に対する評価は高いが、「H-9 医療・介護サービスの経済的障害」「H-11 墓地」「H-12 高齢者配慮の緊急対策」で低い評価。
上記以外の「まとめ」の主要項目(※資料篇をご覧ください) 

  • 「元気高齢者」と「要支援高齢者」「良い=3.0点以上」の項目ベスト5
  • 「元気高齢者」と「要支援高齢者」の「悪い=1.9以下」ワースト5
  • 状態別の平均点「3.0以上」及び「1.9以下」項目数比較
  • 状態別の平均点「3.0以上」及び「1.9以下」項目数比較
  • 評価の事例――医療生協かわち野(東大阪市)
  • 設問項目の設定について()
  • これからの課題

 <問い合わせ先>
日本生協連医療部会 事務局 電話:03-4334-1580