「核兵器のない世界のための国際要請行動」参加報告

~日本高齢者NGO会議の活動報告~

日本高齢者NGO会議(杉並区、上坪陽議長)は、柏木義吉団長以下20名が、「核兵器のない世界のための国際要請行動」に参加しました。4月27日成田を出発し、28日カンクン空港(メキシコ)に着いた後、世界遺産「チェチェンイッツァ」と世界遺産「ティオティワカン」を観光見学し、メキシコシティの高齢者施設「CONSEPCION BEISTEGUI」を訪問。5月1日にはメキシコシティーのメーデーに参加し、5月2日にニューヨークに入り、「核兵器のない世界のための国際要請行動」に合流し、平和の訴えや大パレードに参加しました。5月3日に高齢者NGO会議として国連高齢化プロジェクト、AARP(American Association of Retired Persons 全米退職者協会)を訪問しました。5月4日に「医療・福祉関係者のつどい」、「女性のつどい」に参加しました。このレポートは、NGO会議の一員として参加した、山田栄作医療部会事務局次長(日本高齢者運動連絡会事務局長)報告から抜粋したものです。

<日本高齢者NGO会議の4月27日~5月6日まで活動の概要>

◇日程 4月27日 成田発、ヒューストン経由メキシコ・カンクン着
    4月28日 世界遺産チェチェンイッツァ観光
    4月29日 メキシコシティ着。ソカロ広場、メキシコ歴史地区の散策。
    4月30日 (午前)世界遺産ティオティワカン観光、(午後)高齢者施設「CONSEPCION BEISTEGUI」訪問。日本舞踊と歌を披露。施設の概要説明と視察をしました。
    5月1日 メキシコシティーのメーデーを激励。メキシコを出発、夜ニューヨークに到着。
    5月2日 ‘核兵器のない世界のための国際要請行動デー’に参加。午前:グランドセントラル駅前で核廃絶の宣伝署名行動を展開。午後:反核大集会と国連へむけてのパレード参加。
    5月3日 (午前)高齢者NGO会議で国連高齢化プロジェクト訪問。高齢者権利条約について申し入れの後、AARP(American Association of Retired Persons 全米退職者協会)訪問。アメリカの医療改革や日本の医療・介護保険制度についての意見交換。
(午後)15:00~16:30 日生協および医療部会代表12人でユニセフ訪問。
(夜)18:30~21:00 医療生協NPT参加者の夕食懇親交流会。
    5月4日 (午前)「医療・福祉関係者のつどい」に参加し医療部会が閉会あいさつ。
(午後)「女性のつどい」に参加。
    5月5日 ニューヨーク出発、5月6日成田着
◇参加者 日本高齢者NGO会議20人(団長:柏木義吉、上坪陽、山田栄作など)
◇活動内容  

◎4月27日:カンクンのホテルに到着し、参加者の自己紹介。

◎4月28日 世界遺産:マヤ文明(AC300~900)最大の都市遺跡「チェチェンイッツァ」を観光する。ピラミッド型神殿のカスティージョ。レリーフが見事な戦士の神殿。メソアメリカ最大規模の球戯場。聖なる泉(いけにえの泉)。正確な観測を行った天文台(カラコル)をまわる。

◎4月29日 メキシコシティ着。ソカロ広場、メキシコ歴史地区を散策。(案内は河原さん)

◎4月30日(午前)世界遺産「ティオティワカン遺跡」を観光。
(午後)高齢者施設「CONSEPCION BEISTEGUI」を訪問。キリスト教関係の寄付による施設。入居可能142名。現在は約100名が入居中。60歳から最高齢104歳。車いす生活の人が多い。看護師、介護職などが24時間で介護。日本の踊り、歌を披露し、拍手をもらう。折り紙などのお土産を手渡す。現地のボランティアの方々のダンスもあり。その後、施設の概要を聞きながら、施設内を見学。元修道院を改修して作られたもので、個室はない。6人から12人くらいのはいる大きな部屋にベッドをならべて生活。

◎5月1日 メキシコシティーのメーデーに参加。メキシコ独立記念塔のある大通りの辻々に警察官がびっしり。アメリカ大使館も警官の列。通りを行進するメーデーを激励し、メキシコを出発。夜ニューヨークに到着。

◎5月2日‘核兵器のない世界のための国際行動デー’に参加。
午前:グランドセントラル駅の前で核廃絶の宣伝署名行動を展開。和太鼓、笛、獅子舞。折り紙(ピースバード)、署名呼び掛け。2時間で483筆の署名が集まる。そこかしこで、日本からのNPT参加者の署名宣伝行動が行われている。NGO会議の多田氏は和太鼓をかついで、近くのグループの宣伝行動も激励。外国人のNPT参加者もいろんなパフォーマンスで参加している。午後:反核大集会と国連へむけてのパレードに参加。集会は世界各地かのら3万人が道路を埋めての大集会。4時過ぎてから国連に向けて大パレードが出発。国連前のハマーショルド公園には核廃絶署名用紙(600万筆超)が山と積まれていました。

◎5月3日午前:高齢者NGO会議20人全員と井上英夫金沢大学教授が国連高齢化プロジェクト訪問
・国連のローズ・マリー氏(フォーカルポイントオンエイジング=高齢者のためのセクションの責任者)に高齢者権利条約について申し入れをした。潘基文国連事務総長あての日本の高齢者の現状などの説明資料と高齢者憲章(英文添付)を申し入れ渡した。
・ローズマリー氏:高齢者権利条約については今年の国連総会に議案(条約)を提出しようと思っているが実現するのはたいへん難しく、長いプロセスが必要になる。南米諸国、東欧、アフリカ、中近東の国々が関心が高い。しかし、日本の政府からは何の反応もない。スイスのジュネーブでヒューマンライツの会議が5月24から25日に行われる。その会議のとき、人道的立場での解決策を話し合われる。(これは一年一回開催の会議ではなく、そのために特別に招集された会議)。この条約を作ることは政治的、人道的なものがあり、難しい。必要性があるのはわかるが障害者権利条約のときも10年かかった。その時も南米の国々がNGOの働きかけが大変重要だった。日本の皆さんへのお願いは、高齢者の現状がどうなっているかを政府に要望し働きかけて欲しい。日本は国連の中で影響力を持った国である。日本の政府が国連に働きかけることが必要である。日本や中国、アメリカやEUなど。国連としてはNGOが政府に声をかけて、その政府が強力に働きかけてくれることがキーポイントになる。国連はいつも中立的立場である。潘事務総長もそうであるが、皆さんのNGOの働きかけが必要である。日本に限らず、政府と実際の差があることは理解している。
○午前11時~12時 AARP(American Association of Retired Persons 全米退職者協会)訪問し、アメリカの医療改革や日本の医療・介護保険制度について意見交換をした。
日本参加者:井上、上坪、柏木、三輪、山田の代表5人。(通訳:高さん)
AARP:ジェシカ・フランク、メリー・ルー、ゲーツ、エドワード・ライアンの4人。
・今年はAARPは35周年の記念の年。会員は4,000万人が加盟しているアメリカ最大の組織(教会を除いて)。2ヶ月に1回会員向けに雑誌を郵送している(各家庭に1冊)。現在2,600万部発行。
・(エド・ライアン氏)私はボランティア。介護(老人に対する長期保険)が専門。今は健康保険のことを注視している。会員もいろんな点で興味を示し、心配し、問題点を注視している。これまで社会保険のない国であるアメリカが、今回の保険改革には大きな関心を持っている。今、4,700万人の無保険者がいる。AARPはこのユニバーサル保険を早く実現させたいと運動をしてきた。不幸なことに、これがあまりにも政治的なものに置き換えられて、民主党・共和党の争いにされてしまった。そして、いろんな政治的立場がはいった。しかし、AARPは人間の権利として必要性を主張してきた。
・(メリー・ルーさん)私の家族は東京に住んでいる。高齢者の問題は本当に共通した問題である。
・(エド・ライアン氏)新保険について、先月法律が通った。それまでは保険会社が医療の必要を決めていた。この法律のおかげで、3,200万人が新しく保険にかかることができる。保険会社は、それに関与できなくなった。それは、今までは持っていた症状には保険は効かないといわれていたが、今度はすべてに保険がきくように変わった。経営者が従業員にすべてに医療を提供するということに変わった。中小企業も、政府が補助金を出して保険をかけるということになった。この保険制度で、1,000兆ドル必要だそうだが、それに関しては今までいろんな無駄があったが、これを排除することを考慮すると、きっと賄えると思う。
・(ジェシカ氏)日本にも、AARPは必要ですね。しかし、AARPは老人ホームとかは手を出さない。相談はあるが、直接かかわりは持たない。IAHSA(老人住居サービス)がある。
・(井上)介護での家族殺人事件などがアメリカでありますか。
・(ジェシカ氏)殺人にはいたらない。しかし、介護が重荷になるのはそのとおりで、アメリカでも重さに耐えきれず介護放棄したり、暴力にということはある。女性が一番の負担を強いられている。大きな支障があり、問題になっている。殺人には至らないが、大きな問題である。このごろ見られるのは、財政面での犯罪。痴呆などで、子供たちが両親のお金を使いこんだりの犯罪がある。
・(井上)子供と老人の重さは何か差があるか。
・(ジェシカ氏)アメリカはいろんな人種の集まっている。一般的には老人の考えは前向きである。私たちは老人に尊敬の念を持っている。老人、障害、子供、女性、移民など、色々な人権がある。今高齢者の人権のみがない。これはこれからの一番大きな力になる。
・AARPはフィラデルフィアで、在米の50カ国の人々が集まる介護を行った。
⇒今後とも、いろんな情報交換と、友情・連帯の絆を深めていきましょう。と確認し、懇談を終了。

◎5月4日(午前):○「医療・福祉関係者のつどい」に参加。SEIU講堂。参加者は250人。司会を大河原氏(民医連)、主催者挨拶は長瀬氏(民医連)、閉会挨拶を山田(医療部会)がした。激励挨拶を井上さとし日本共産党参議院議員が行った後、「アメリカ医療保険改革をめぐる動向」と題して、SEIU労組のDr.トニールイス氏が報告しました。韓国原爆被害者協会会長のキム・ヨンギル氏が「在日被爆者と在韓被爆者の被爆問題の早急の解決を求める」と発言。マーシャル諸島共和国の前上院議員アバッカ・アンジャイン・マディソン氏がロンゲラップ島民を代表して「ビキニ被爆の実相」について報告。その後、日本から参加した10人が各地でのNPT参加活動の様々な取り組みと経験などの活動報告をし、最後に、「一刻も早く、核兵器の廃絶をめざして、今後も各地で活動をしていこう」と意思統一した。
○(午後)「女性のつどい」に参加。SEIU講堂。 参加者は350人。会場に入りきれないくらいに、海外代表の女性たちと、日本の女性たちが参加した。司会は日本の新婦人。パワーポイントで「核兵器廃絶のたたかいの経過」を報告した後、日本始め世界各地での活動経験が次々に報告された。パワーあふれる女性たちの熱気で、会場は元気あふれる。次の青年交流会の時間に食い込むという盛り上がりでした。

◎5月5日 ニューヨーク出発し、5月6日 成田着
病気・事故なく、高齢者NGO会議20名が元気に帰国。

(情報提供:山田栄作医療部会事務局次長)