「第6回(2009年度)comcom待合室川柳」優秀作品発表

~大賞は「まだやれる自分の足に言い聞かせ」岡 鶴一さん(出雲医療生協)~

日本生協連医療部会(事務局:渋谷区千駄ヶ谷、高橋泰行運営委員長)では、今回で6回目となる「第6回(2008年度)comcom(※)待合室川柳」の入選作品14句を発表しました。

大賞に輝いたのは、出雲市の岡鶴一さんの「まだやれる 自分の足に 言い聞かせ」(出雲医療生協:島根県出雲市)でした。

※この『comcom川柳大会』は、全国の医療生協の組合員、患者、医療生協で働く医師・看護師などの役職員を対象に日本生協連医療部会発行の情報誌『月刊ComCom』の普及キャンペーンの一環として、2004年から「待合室川柳大会」として実施しているものです。

2009年9月1日から12月31日の募集期間中に、全国から243人、795句が寄せられました。

応募作品は、全日本川柳協会の奈倉楽甫常任幹事(名古屋番傘川柳会代表)による厳しくも温かな審査で決定し、講評もお願いしました。

力作揃いの795句の中から、みごと入選した14句をご紹介します。

【表彰作品の紹介】(敬称略)

■大賞 1本
まだやれる 自分の足に 言い聞かせ 岡 鶴一(出雲医療生協)

※選評:年は足腰からくるという、駅の階段や、歩道橋はトレーニング機とおもえばよいのかもしれない。1歩外へでたらまだ歩けるまだ上れると自分を励ます、やっぱり気力かもしれない。足よ頑張れ。

■優秀賞 3本
孫に似た 主治医の声は よく聞こえ 糠沢 章雄(郡山医療生協)

※選評:孫が医師というとご本人は傘寿ぐらいか、そろそろ聞こえにくい事があっても仕方がないのかもしれないが、若い先生は丁寧に分かるように話をしてくれるのだろう、それとこちらも気を入れて聞いているのだ。

敵の名も 数も強さも 知るカルテ 先崎 伍朗(郡山医療生協)

※選評:診療録は5年間の保存が義務づけられているそうだ、病気という敵の名前から、どれだけとかどれぐらいとかが記録されている。先生は私の顔を見て、カルテを見て、今日の私の具合を書き加えられる。お大事にと。

問診へ 後ろの妻が よく答え 中野 憲夫(山口県下関市)

※選評:病院に縁のなかった夫を何かで先生の前に連れていったが、なにを聞かれても旨く答えられないのを見て、つい代わりに話している。

■佳作 10本
しあわせの 範疇とする 血糖値 豊島 和夫(群馬県前橋市)
薬剤師 薬以上に 効く笑顔 大宮 一男(みやぎ県南医療)
ナースの手 仏と思う 温かさ 持田 淑子(島根県出雲市)
犯人も インフル用の マスク着け 坂本 勲(東大阪市)
八時から 待合室は 談話室 柳谷 益弘(静岡県)
車椅子 漕ぐ背あの日の 父を見る 松尾 泉(島根県大田市)
病床の 父を寝かせる 子守歌 生野 陽子(白根保健生協)
検診の 良かった後の 旨いお茶 塩入 正子(かわち野医療生協)
車椅子 乗る押す二人 共白髪 石野 豊子(鳥取医療生協)
診察券 ポイントついたら いいのにな 石橋 由佳(川崎医療生協)

全体の選評

川柳がますます広く楽しまれるようになり、友達が増えるようでこんなに喜ばしい事はございません。すでに6回目を迎えたこのページが定着することを皆様も願っておられると思いますが、そのために質の高い素直な笑いの川柳を選びたいと思って居ります。実は今回も八百を越える活字にならなかった句がありました。中には受賞作品と同じ狙いでありながら表現の少しの違いで没になったり、目線が高すぎたり低すぎたりで選に漏れた句がたくさんありました。定型と呼ばれる、五・七・五の十七音字を基本に作られた句に名句が多い事から、先ず定型で作句されることをお勧めいたします。次に句が出来ましたら何度も声に出して読む事です、これでリズムに乗っているかいないかが分かりますが、七五調の日本語の気持ちの良さはこの短い川柳にも有ることを知って欲しいと思います。この推敲は大事ですがあれこれ言葉を探したり位置を考えたりする、それ自体を楽しいことにされてはどうでしょう。

全日本川柳協会 常任幹事 奈倉楽甫